「猿夢」という都市伝説をご存知でしょうか。
私はそれを見たことはありません。けれど、五回、同じ始まりの夢を見ました。
舞台は祖父母の家です。
昼下がり、畳の部屋で横になっていると、廊下の向こうから祖父母の話し声が聞こえます。
しばらくすると、向こうの部屋から激しく何かが暴れる音がします。
柔らかいものが潰れるような音が、何度も。
叫び声は一度も聞いたことがありません。
ここまでは、毎回同じです。
一度目は何もできませんでした。
二度目からは逃げました。
隣の部屋の机の下に隠れたり、引き戸から廊下へ出たり。
四度目や五度目には、なぜか急にオルゴールが鳴りました。幼い頃、私が夢中になっていたものです。
音に気を取られた隙に逃げても、必ず見つかります。
トイレに逃げたは良いものの、ドア開けた瞬間、目の前に立っていたこともありました。
五度目は二階へ逃げました。
物置の影に隠れていると、下で何かが暴れ続けました。
やがて家が崩れました。
夢の中で死ぬと、私は毎回目が覚めます。
化け物は、異様に細い手足が長くのびた、大きな白い人影でした。
黒い髪が顔を覆っていて、表情は分かりません。顔もよく覚えていません。
六回目は、まだ来ていません。
最近、祖父母の家のオルゴールが壊れました。
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