最初の感触は、正直、嫌じゃなかった。
夢の中で、何かが触れてくる。
舐める、というより――なぞられるに近い。
ゆっくり…__確かめるみたいに。
ニュルリ
その動きが、はっきりと“舐める”に変わった。
相手の姿はぼんやりして見えない。
だが、ぬるついた裸の身体はリアルすぎるほど絡みついてくる。
体温は人肌より少し低い。
それでいて、妙に丁寧で、執拗だった。
舐められる場所は、毎晩少しずつ違う。
首筋。
耳の裏。
そして股間。
達するほどにどこか心地良かった。
それでも朝になると疲労感が現れる。
絶頂寸前まで攻められては止められる。
舌が絡みついた場所は、少しだけ赤くピリピリした。
ただ快楽だけが残っていた。
だから深く考えられなかった。
・・・
夢は、日を追うごとに長くなった。
体を重ね合わせる時間も、舌を這わせる回数も増えた。
最初は表面を舐るだけだったのに、
だんだん、同じ場所を何度も何度も愛撫するようになった。
まるで、
「ここが気持ちいいんでしょ」
「まだ残ってる」
とでも言うみたいに。
その頃から、現実で異変が出始めた。
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