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不思議体験

GENGOさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

真夜中の雪道で・2
短編 2021/04/01 14:42 2,785view

私は、
「スキー場へと向かう夜の車の中で怖い話をするのが好き」
という男なので、
「何回か幽霊とか見たことがある」
という人を
「是非、一緒にスキーに行きましょう」
と誘って同行したことがあります。
そのときのスキーは、怖かったし、楽しかったです(笑)。

「見たことがある人」をAとしますが、
Aはスキーもするが登山もする、という山男で、
登山の際に何度か妙なものを見たそうです。
遭難者の幽霊みたいなものとか、
正体不明のアヤカシのようなものとか。

Aいわく、
「山が霊が多くいる場所だからというより、
 自分が山に行くと霊感みたいなものが強くなって、
 見える状態になるみたい」
とのことでした。
私も、Aが言いたいことは判る気がしました。
私は霊感が殆どないみたいですが、山で育ったので
陳腐な表現ですが、山奥とかって何かの感覚を目覚めさせるものが
あるようには感じるのです。

Aからは色々な話を聞かせてもらいました。
ちなみに、Aが最初に霊らしきものを見たのは
鈴鹿山麓でソロキャンプをしたときで、

テントを張り、寝袋に入るまではとくに変なことや

気味の悪い感じはなかった。
けれども、夜中に何かの気配を感じて眼を覚ますと、
かすかに、なにかがテントの外、すぐそばにいる感じがする。
怖いな、やだなと思ったけれども
もしも遭難した人とかなら放ってもおけない、と、
少しだけテントの入口の裾を開いて覗いて見た。
するとかすかな月明かりのおかげで、
登山靴を履いている人の足元が見えた。
ああやはり遭難者だ、幽霊じゃない、とほっとして
(そのころは、幽霊は足が無いものと思っていたそうです)
テントから顔を出してみたら、その人は首から上が無かった。
思わずテントの奥に飛び退り、一晩中震えていた。
翌朝に明るくなってから恐る恐る覗いてみたら、誰もいなかった。

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