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ヒトコワ

おばけプリンさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

あれ?鏡が笑っt……フフフ
短編 2025/11/10 20:25 1,453view
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私は夜の自室で鏡の前に座り、暇つぶしにひとりじゃんけんをしていた。

「じゃんけんぽん!」

もちろん、鏡の中の私はいつも通り、私と同じ手を出す。あいこ、あいこ、あいこ……。

最初は笑いながら、「やっぱり鏡って正確だなあ」と思っただけだった。

でも、ふと気づくと、鏡の中の私は少しだけニヤッと笑った気がした。

「……気のせいかな」私は肩をすくめ、もう一度じゃんけん。

「じゃんけんぽん!」

またあいこ……あれ、でも今度は私の手がほんの少し早く、相手の手に勝っていた。

「え?」思わずつぶやく。鏡の中の私は、驚いた顔をしている。

次の瞬間、鏡の中の私が手を振り上げて、手を変えた。

「ぽん!」

また、私の手が勝った。勝つ……勝てる?

奇妙な笑いが喉から漏れる。鏡の中の私も笑っている。

それから毎晩、私は鏡とじゃんけんをした。

最初はおふざけだったのに、勝つたびに妙な感覚が胸に広がる。

胸の奥が、ぎゅっと締め付けられるような……不快なのに、やめられない。

ある晩、私は思い切って声に出して聞いた。

「どうして、勝っちゃうの?」

鏡の中の私が答えるわけもなく、ただニヤッと笑った。

でもその笑いには、私の知らない感情がこもっているようで、ぞくっとした。

次の日、学校で友達とじゃんけんしても、私はいつも勝ってしまう。

最初は楽しいけど、勝つたびに背中がぞくぞくする。

「なんでだろう……?」誰にも言えずに、ただ鏡を見つめる。

ある夜、鏡に手をかざすと、私の手が勝手に動いた。

「ぽん!」

勝った……けど、鏡の中の私の笑顔は消え、代わりに真っ黒な空洞の瞳がこちらを見ていた。

その瞬間、私は全身が凍る。手を引こうとするけど、手は鏡に吸い寄せられるように動く。

「……誰……?」

声にならない声を出して、必死に逃げようとした。

でも鏡の中の私は、静かに、しかし確実に笑っていた。

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関連タグ: #声#夢#学校#鏡
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