大学時代の友人から聞いた話。
二回生の時の夏休みに友人は短期のアルバイトをしたんだ。そこで面倒臭い人に会ってしまったんだって。
話の発端は休憩時間の会話だった。
同じ短期アルバイトの人に「どこに住んでいるの?」と聞かれた友人は○○区の△△に住んでいると話したんだと。それを聞いたら、ここではAさんとするね。Aさん(Aさんも短期アルバイトで来ていた)が
「私も○○区の△△辺りに住んでいるの!」
と食い付いてきた。
友人と話していた同じ短期アルバイトの人は、
「そうそう。Aさんもその辺りだったよね。確か」
と話す。
更にAさんは友人に
「一緒に帰れるね!あと朝も一緒に行けるね!」
と友人にグイグイやって来た。
そんなAさんに対して友人は内心、距離なしの人だなと思ったらしくて、すぐさまAさんのことを苦手な人だと認定したんだって。
で、ここまでが前置きなんだけれどね。
たまたま帰りのホームで会っちゃったんだって。そのAさんに。
Aさんは友人を見ると
「一緒に帰ろうよ!」
と友人を誘った。友人は短期だけど、今同じ仕事場で働いている人に対して断ることが出来なかったんだよね。
友人は、はい……と言った。
電車の中でもそのAさんは友人に色々質問してきた。降りるホームが違ったのなら良かったんだけど、同じだからあの時間は地獄だったって言っていたな。
電車から降りて改札口から出ても、そのAさんはまだ友人と一緒に帰る気満々だったみたいで、友人は心の中でどこまで一緒に帰らなくちゃいけないのかなと考えた。
もしかしてかなり近くに住んでいたりして。そうしたら住んでいる所がバレてしまうと焦っていたのね。
そんな友人のことなんかお構い無しにAさんは話を続ける。
これから一緒に行こうねとか、どこのスーパーに行っているのとか聞いてくる。
友人はなんとかその質問責めに応対していた。
「○○スーパーです」
「○○スーパー?私もそこだよ!今度会えるといいね!」
会話を続ければ続けるほどAさんから逃げられないと感じた友人は、わざと遠回りするように帰ったんだって。
Aさんにどこの道を通るのと聞かれれば、あっちですね(違う方向)と答える。そしてAさんに、あそこの道を使えば近道だよと言われても、友人は私はここを使っているのでと返した。
どこまでもAさんから逃げられない。
家を通りすぎて坂に差し掛かった時、面倒臭いがここを上るしかないと覚悟した友人に、Aさんは私はこっちだからと目の前の坂とは別方向に指をさした。ようやくそこでお疲れ様でしたと解散することが出来たのだ。
友人は坂を上るフリをして、坂のそばにある木の後ろに隠れた。何分か経つと、辺りを見回しながら家に帰ったんだ。
























怖いというよりウザいよな。こういう人ってプライベートまで侵食してくるから気をつけないと。
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