この作品は『死神の副業 大崎先生の場合』1〜5話の続編になります。
第一話 奇跡の男
死神の言葉通り目が覚めると病院のベッドの上だった。
『落雷の火傷が一夜で消えている。こんな事は現代医学ではあり得ない』
俺の回復力の速さに医師たちは仰天していた。地方新聞の記者が取材に来て『奇跡の男』として記事になったくらいである。
しかし奇跡でも何でもなく全身黒焦げになった大崎恭二と今の俺を入れ替えたに過ぎない。
『そう言えばもう一人の俺はどうなっただろう』
それは考えなくていいと死神は言っていた。作者にもわからないことだからだ。
『大崎さん、面会人です』
一瞬ドキッとしたがここは刑務所でもないし面会人も死神でもなかった。看護師に伴われて現れたのはHだった。彼女は間近で雷が落ちたが怪我はしてなかったようだ。
『わたしたちの関係を教えてください。落雷のショックで何も覚えてないんです』
どうやらHから大崎先生の記憶は消滅したようだ。
『何のことかな?俺と君は初対面だよ』
俺は惚けることにした。寿命の蝋燭のカードはもうないし死神の話をしても信じてもらえないだろう。
『でも雷が落ちる直前に何か話していたような・・・』
『君があんまり可愛いいからつい声を掛けたんだ』
俺はあくまで惚けた。
『そしたら突然雷が落ちて髪の毛がチリチリになってビックリしたなあもうッて』
俺は軽口を飛ばした。
『やっぱり大崎先生だ』
しまった。Hと話しているとついひょうきん先生時代の乗りに戻ってしまうのだ。
























投稿者のグレートリングです。前回の作品が満足のいく出来だったため続編を書いてみました。よければ感想などお聞かせください。
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もしそうならば続きを見てみたいです!