ストーカーはいつも近くにいる【partⅣ】
投稿者:ねこじろう (156)
N美との出合いは、去年の夏に催されたとある婚活パーティーの会場でだった。
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今年35になりそろそろパートナーを見つけたいなと思った俺は夕刻、会場となっていたホテルに行った。
体育館ほどの会場には、あちこち丸テーブルが置かれている。
その各々に様々なオードブルが乗っていた。
50名ほどの男女が思い思いにグラスを片手にテーブルの前に立ち、談笑している。
会場はそこそこ活気に溢れていた。
周囲を見渡し、さてと思っていたちょうどそのタイミングだった。
「少しお話して良いですか?」
突然背後から聞こえる女性の声。
振り替えると、黒髪セミロングで華奢な女性が微笑しながら立っている。
それがN美だった。
互いに自己紹介のあと会話が始まったのだが、会話は終始彼女が一方的にリードする。
俺が1で彼女が9という感じだったな。
N美は今年28で、市内にあるマンションで独り暮らしをしているということだった。
俺と同じIT関連の会社勤めをしているらしい。
そして互いの素性がある程度分かったくらいのタイミングでN美の提案から、俺のマンションで飲み直そうということになる。
初対面で女性の方から男性の部屋に行きたいなんてちょっとどうなんだろう?と思いはしたのだが、見た目やスタイルはまあタイプだったしグイグイくるのは嫌いではなかったから承諾した。
それからマンションに移動してからはしばらく飲んでいたが、そこは男と女。
なし崩し的にそのまま関係を持ってしまう。
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翌朝のこと。
リビングのテーブルで二人向かい合いコーヒーを飲んでいると、おもむろにN美が口を開いた。
「ここって素敵なところなんだけど、お隣とかどんな人が住んでるの?」
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