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呪い・祟り

四川獅門さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

イリガミ
短編 2021/03/18 22:10 13,109view
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一、解体作業

人が寄り付かなくなって久しい神社に、雅楽の音色が響く。
紫の狩衣を着た宮司が、祈祷を捧げる。

古い神社の解体作業が始まった。
上田さんはその作業員の1人だった。

「小さい神社っていうのと、ほとんど木製だったので、作業としては楽な方だったんですが━━━」

解体業界には、特殊な危険を孕む仕事がいくつかある。
1つは古井戸を埋める仕事。これに関してはいくつか嫌な話がある。
そしてもう1つは稲荷神社の取り壊し。

これも妙な話が多い。

そして、もう1つ━━━

その現場は6人の作業員で解体が進められた。
〈特殊〉な現場であったため、親方や先輩は少しピリついていた。
その時上田さんは何も知らされていなかったが、いつもと違う空気を感じていた。

「基本的に解体作業の前に、家財道具なんかをを撤去するんです。モノによって分別しなきゃ廃棄できないんで」

上田さんと後輩の西野さんは2人で屋内の神具や祭壇などの撤去作業をしていた。

「後輩が大きい木箱を運んでいたんですが━━━」

埃を被った古い木箱だった。

蓋には筆字で『イリガミ』と書かれていた。

その箱の底が抜けた。
ゴロン、と床に何かが転がった。

「 あっ 」

ボリボリッ

それを西野さんが踏み潰してしまった。
2人が見たのは、床の上でバラバラになった獣の頭蓋骨だった。

上田さんは現場がピリついていたこともあり、見て見ぬフリをした。
お祓いもしてあるし、大丈夫だろうとタカを括っていた。

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コメント(2)
  • これからの時代、守る人のいない神社も増えるしこういう話も近場にできそう

    2021/03/19/01:34
  • 動物虐待にもほどがある…
    文章がわかりやすい

    2021/05/26/11:24

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