そして誰もいなくなった
投稿者:ねこじろう (147)
それはちょうど帰省ラッシュの始まった日の夕暮れ時分のこと。
そこは九州北部にある古い住宅街の一角にある、築28年のありきたりな二階建ての一軒家。
その一階奥まったところにあるのは8帖ほどの畳部屋。
その真ん中にある黒光りする座卓の前には、
渋い作務衣姿の初老の男が正座していた。
虚ろな目をしながらやや左に顔を向け、何やらブツブツ独り言を呟いている。
その声はその風体からは想像もつかないような低く掠れた女性の声。
「あんた、本当にちいちゃんは来るとね?」
すると今度男は右を向き、その言葉に答えるかのように低い男性の声で呟く。
「ああ、昨晩真結美から連絡があったけんな」
そしてまた男は左を向くと
「寂しかあ、、はよう(早く)会いたかあ、、はよう会いたかあ」
とさっきの女性の声で恨めしげに呟くと、また右を向き男性の声で
「ああ来るばい、きっと来るから待っときんしゃい」
と言いゆっくり立ち上がり、襖のところまで歩くと開いて隣の居間にフラフラ歩いて行く。
※※※※※※※※※※
その日の晩、羽田空港のチェックインカウンター前には長蛇の列が出来ていた。
その前辺りにはお揃いの白いワンピース姿の真結美と娘の千鶴が並び立っている。
真結美の携帯の着信音が鳴る。
「ああ、お父さん?
あのね午後8時ちょうどの福岡行き107便に乗るから、そっちには、そうねえ……午後10時頃には着くと思う。
え?千鶴?もちろん一緒よ。
今ここにいる」
ねこじろうさん頑張りますね
早速のコメントありがとうございます。
─ねこじろう
猫さん大好き
いつも応援してます。
このサイトも人がいなくなりそうで怖いです。もっと盛り上がってくれるといいんですが。
いつも応援ありがとうございます。
これから夏になると怪談シーズンですから、
盛り上がりますよ
─ねこじろう