YouTuber【S美&M男】
投稿者:ねこじろう (147)
それは初秋のある日。
その日は昼過ぎまでは晴れていたが、日が傾く位からポツポツ雨が降りだしていた。
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郊外にある市営団地二号棟前の駐車場。
一台の黒のベンツがブレーキ音を軋ませながら、その一区画に停車した。
ドアを開いて降りてきたのは、白いミンクのコートを羽織った大柄の中年女性。
くわえタバコで両手には小さな段ボールの箱を抱えている。
彼女は雨を避けるように小走りで棟入口から入ると、素早くエレベーターのボタンを押した。
それから四階で降りると渡り廊下を真っ直ぐ歩く。
そして404号室の前で立ち止まると、もどかしげに呼び鈴を何度も押した。
しばらくするとガチャガチャという解錠する音がしてドアが開き、白髪交じりのボサボサ頭で無精髭をはやしたスエット姿の男が顔を出した。
女は男の顔を一瞥もせずにそそくさと靴を脱ぐと、段ボール箱を持ったまま奥のリビングに行く。
そしてテーブルの上に箱を置くと、コートを脱ぐ。
女の隣に立った男が「それ何だよ?」と興味深げな様子で女の横顔を見ると彼女は意味ありげに一つ微笑み、ゆっくり段ボール箱の蓋を開けていく。
箱の中には一匹の白い子猫が「ミャーミャー」か細い声で鳴きながら、よたよた歩いていた。
「この猫、一体どうしたんだ?」
男が子猫を見ながら、女に尋ねる。
女はタバコを灰皿でもみ消すと喋り始めた。
「さっきさコンビニでタバコ買った後帰ろうとしたら、車の下で鳴いていたんだ」
すると男が呆れ顔で
「おいおい、またやんのかよ?」
と返すと、
女は「この間野良犬を捕まえてきてコールタールまみれにした後、洗ってやるところやったら10万再生いったでしょ。だから今度はこの子猫ちゃんでやるのよ」と言う。
「またコールタールまみれにするのかよ?」
男が言うと女は子猫の首筋を捕まえて胸元に持ってくると、
「そんな二番煎じなんかやらないよねえ~~」と子猫に愛しげに語りかけながら抱きしめる。
それから子猫を抱いたままリビングを出ると、浴室に入っていった。
しばらくすると女の怒鳴り声がする。
「ほらあ、役立たず、さっさと包丁持ってきなよ」
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うわっ!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚
ねこじろうさんだ!
いつも楽しみにしています😊
今回もおもし、ろかったです!
皆さん、コメントありがとうございます
─ねこじろう
怖
私も、犬猫餓死寸前で助けた等のYouTubeでみて感動しているのですが、ちょっと疑う目で見てしまいますね。
あくまでもごく一部の方々の話ですので、そこのところはよろしくお願いいたします。
─ねこじろう