心霊スポット巡り旅
投稿者:白と黒の旅人 (33)
私は旅が好きなので暇な時はよく色んなところに行きます。
さて、自分に弱いながらも霊感があると自覚してしばらくは旅先でなにかに会うのが結構怖くて控えていましたが慣れてくるとむしろ「この状態で心霊スポット行ったらどうなるんだろう」と気になったのです。
という訳で旅先でその地域の心霊スポットを探したところアクセスが良く、その地域では肝試しスポットとして知られている場所に独りで行きました。
車に乗って道路走ってると、近づくにつれやっぱり道端に見えてくるんです。
「おお〜。やっぱ見えるんだな〜。」とか思って心霊スポットに着くと、ひとつ気が付きました。
想像以上に明かりが意味無いって。
一応明るくなるにはなるんですが、私の霊の見え方のせいか、ライトで照らすとガッツリ見えるもんで逆に意識しちゃってダメだなと思って弱い明かりで歩くことにしました。
とは言っても今回見に来た心霊スポットはトンネル+山の心霊スポットなので、明かりが無いと遭難した時危ないのでペットボトルの水と明るさ調整出来るライト持って歩いてました。
とりあえずトンネル内では4人、内1人は多分首なしってシルエット。
その頃はほんと、運転免許取って初心者マーク取れたばっかのドライバーみたいな感じで「慣れ」が一番危なく出てくる時期でした。
幽霊とかそーいったものへの恐怖心が薄れてて、注意が希薄になってました。
トンネル抜けた先見ると、びっくりしました。異様に暗いんです。
トンネル内は一応切れ掛けの蛍光灯が3つほどあるばかりでほぼ真っ暗なんですがライトで照らしても光が吸い込まれる感じでした。
とはいえ見たところトンネル内程それっぽいのは見えなかったので少しトンネル出た先がどうなってるか確認したあと、引き返しました。
戻ってきたら前方から光が見えました。
人数は分かりませんがとりあえず分かるのはあちらも心霊スポットに来た人間なんだなということでした。
そろそろ前方のライトが眩しくなってきた頃、相手側は「きゃぁぁぁ!」だの「逃げろ!!」だの言い出して逃げだしちゃいました。
その時の服装はシャツは灰色、上着とズボンは黒、そしてライト付けずに真顔でのそのそ歩いてたのでライトが当たると多分真顔の生首が向かってきているように見えたのでしょう。
私自身も帰り際、トンネルを振り返ってみましたが真っ暗だったのでそのまま車まで戻りました。
車に戻ると恐らくさっき逃げた人達であろう、高校生らしき男女5人に会いました。(なお、声をかけたら凄く驚かれた)
話を聞くとやっぱり私のことを浮いた生首か何かと思って驚いたそうです。
ですがその後「お兄さんの顔が見えてじっと見てると突然一瞬お兄さんの顔が見えなくなって、その後大きな足音が近づいて来たんです。お兄さんはお兄さんさんで真顔でこっちに向かって来るので怖くて逃げちゃいましたw」
と教えてくれた。
確かにそれなりに響くトンネルだったなと思っていたら一瞬顔が見えなくなったという所に引っかかった。
「なんというか人混みに紛れたよう…な……」と男子学生が思い出すように教えてくれた。しかしだんだん顔色が悪くなっていく。
「もしかして、見えるタイプ?」とその男の子に聞くと「い、いえ…俺は別に…」と震えながら答えてきた。
そしてもう一度トンネルの方を見た。
すると真っ黒い波がやってきていた。道路の白線が見えない。まるで黒い人の波のようなものがこちらに歩いてくる。
「もう一度聞くけど、誰か見えるタイプいる?誰がとまでは言わなくていいから。」と聞くと男の子は頷いた。
この時思ったのは「私多分たくさんの幽霊の中を突っ切って来たんだろうな」ということだった。
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