うつ症状から救ってくれた彼女の弟

私は結婚を約束していた女性がいました。頭が良く性格が優しく、その上美人という女性でした。

その女性は大学の事務員のバイトをしており、そこに大学生として入学した私が出会いました。彼女は5個年上の大人の女性でした。

年齢的に結婚を焦っていたので卒業したら結婚しようと約束をしていました。

彼女には私と同じ年齢の弟がいました。私とは趣味が合うため、彼女と同じぐらい遊んでいました。

しかし、幸せな時は長くは続かず、弟と別れの時がやってきました。弟は友達数人で遊んでいた時に交差点で大型車に突っ込まれ友達たちと一緒に亡くなってしまいました。

私は彼女の弟と親友を一気に失い、うつ病を発症しました。何をやっても笑えない、何を食べても味がしなくなりました。

家から出て数歩でも歩くと嗚咽が止まらず外出もできなくなりました。彼女ともお互い精神的におかしくなっていたので距離を置きました。

その状態で就職活動で遠方に電車で移動をしたときに、強烈な嗚咽にかられて駅のホームでしゃがみこんでしまいました。

涙は出続け、食事もろくにとれていないので吐くものもありませんが、ゲーゲー言い続けている状況で、呼吸もままならなくなったときに急にさわやかな風が流れ、その時に親友の声で「もう苦しまなくても良いんだよ」と聞こえました。

不思議と体調不良が収まり、以降うつ症状はなくなりました。親友が天国から私を心配してきてくれたのだと思います。彼女とは結局はお別れしましたが、今でも忘れられない不思議な体験です。