私の通っていた学校の4階には

これは私が小学生の頃の話です。

私は幼い頃から霊感があり、実際に幽霊が見えることも多々ありました。

地域や年代にもよるかもしれませんが、小学生の頃、私の地域では、お盆前あたりに登校日という夏休み中に1日だけ学校に登校する日がありました。

登校日は、平和授業といい戦争について学ぶ日となっていました。

私の学校では、体育館に集まり高齢者の方から戦争体験の話を聞いたり、映像を見たりして、1日の最後に感想をまとめて提出するというものでした。

午前中に体育館で話を聞き、映像を見た後、学校の4階にその日のために作られていた戦争資料展示を見るという流れでした。

その学校の4階は学年の教室などはなく、多目的室などのサブ的な教室がある階でした。普段は近寄ることはありませんが、なんとなく気味が悪いなとは感じていました。

そして体験の話などを聞き終わり、体育館から移動し、戦争資料の展示を見に行きました。各学年30分ごとに交代で見学を行いました。

私は当時小学6年生だったので、見学の順番は1番最後でした。見学をしている最中から感じていたのは、誰かに見られているような感覚でした。その時は周りに先生やクラスメイトがいたため、そんなに気にしていませんでした。

見学が終わり、クラスの教室がある3階に戻っている途中で、私は展示場所に筆箱を忘れたことに気づきました。私は友達に先に戻っていいよと伝え、その展示場所に1人で戻りました。

4階に着いた瞬間、またあの誰かに見られているような感覚を覚えました。私は少し嫌でしたが、筆箱を取りに行きました。そして、展示場所に着き、筆箱を取った時のことです。

背後に気配を感じました。私が振り返るとそこにはさっきまで映像や資料で見ていたような、軍服姿の男がいました。そして、男は下半身がなく、ただ何を言うでもなくこちらを見ているのです。

私は怖くなり、慌ててその場から逃げ出しました。4階の階段に差し掛かったとき、振り返ると男が私のすぐ後ろにいました。私は必死で階段を駆け下り、3階の教室に飛び込みました。友達に話しても信じてもらえませんでしたが、その話を先生に話すと、先生は私のことを信じてくれました。

後からわかったことですが、この学校は戦時中からこの場所にあって、この地域では空襲などで亡くなった人も多くいます。霊感のある先生などはよく気配を感じたりすることがあるらしく、特に4階は気味が悪いと先生たちの間でも噂になっていたそうです。

私は卒業し、その学校の4階に行くことは有りませんでしたが、あの日見た軍人の男は何を伝えたかったのだろうと今でもふと思い出します。