興味本位な行動

僕が大学に入学してから１年間に起きた出来事です。

僕は、ここの大学に入学する前から楽しみにしていたサークルがありました。
それは、オープンキャンパスの時に勧誘された「心霊クラブ」です。

僕は、中学生のころからオカルトに興味があったので、とても楽しみにしていました。しかし、勧誘しているコーナーに心霊クラブはありませんでした。

僕は、話しやすそうな先輩に心霊クラブのことを聞いてみることにしました。
すると、その先輩は「あのクラブはやらかしたからサークル活動停止しているよ」と教えてくれました。

“やらかした”という言葉が気になり、僕は先輩に「何をやらかしたんですか？」と聞くと、先輩は「知らないほうがいい」といって歩いて行ってしまいました。

僕の入りたかったサークルは、何か問題を起こして活動停止を食らってしまった。
なんだか喪失感を感じていました。

大学生活を１週間が経ったころ、話しやすかった先輩に会いました。すると、先輩は「久しぶりだね、大学にはなれたかい？」と話しかけてくれました。

僕は当り障りのない返事をして立ち去ろうとすると、先輩が「まだ、心霊クラブに入りたいの？」と尋ねてきました。
僕は「入りたいです！」と伝えると先輩は満面の笑みで「合格」といいました。

意味が分からない僕に先輩は「ここに１７時にきて」と喫茶店の紙マッチを渡してくれました。

なにがなんだかわからないうちに、僕は入りたかった心霊クラブというサークルに入ることができました。この時は、憧れというか共通の趣味の人と話せると思いとても舞い上がっていました。

先輩に指定された時間に喫茶店を訪ねると、すでに８名ほどのグループがいました。
僕は心霊クラブのサークルメンバーだと思い、大きな声であいさつしました。メンバーは快く僕をサークルに歓迎してくれました。

少し遅れて話しやすい先輩が来ました。よくよく話を聞くと彼が部長だったそうです。
部長は僕のことをメンバーに紹介してくれました。

そして、“やらかした”の意味を教えてくれました。

心霊スポットを巡っている最中にホンモノの遺体を発見してしまったそうなのです。先輩たちは急いで警察に通報したのですが、その後先輩たちも住居不法侵入で捕まって大学に連絡されてしまい、サークルは活動停止になったそうなのです。

当然の話ですが、廃墟でも不法侵入で逮捕される可能性があると知りました。僕も高校生の頃に心霊スポットで警察に見つかったことがありましたが、厳重注意で終わり学校や親に連絡された経験がなかったからです。

翌週末から、あちこちの心霊スポットを回って写真や動画を回して怪奇現象や心霊現象を撮ろうとしていました。
しかし、ゾクゾクする怖さとドキドキする体験をするだけでした。

そんなある週末、部長が「やっぱりあそこしかないか」といいました。その言葉を聞いたほかのメンバーは「あそこはマジでやばくない？」と、いつもと違い乗り気じゃないのが分かりました。

それに気づいた僕は部長に「そこはどうゆう場所なんですか？」と聞くと、先輩は「僕たちが遺体を見つけたところ」と教えてくれました。

そこは、有名な心霊スポットではなく、ただの廃ホテルでした。
外観はそこまで古くなく、なんだか拍子抜けしました。

しかし、建物の中に入ると湿気がすごく、解体途中なのか大きな麻袋があり中にはガラクタが入っていました。
いつも通りに、写真や動画を回しながら建物の中を探索していると先輩が「ここで遺体を見つけたんだよ」と僕に教えてくれました。

僕は、ドキドキしながら遺体を見つけたというベッド周りを見ているとカギを見つけました。何のカギかはわからなかったのですが、悪戯をしてみようと思ってしまいました。