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心霊

津々さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

興味本位な行動
長編 2023/03/04 15:50 4,582view
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僕は見つけたカギを部長の鞄に入れました。
僕の想定では、建物から出てから先輩に話して「やめろよー」的な流れになって面白くなると、なぜかその時は思ってしまいました。

そのあとも、各階を巡り客室も見て回りました。
そして廃ホテルを出た時です。

先輩がタバコを吸おうと鞄に手を入れた時です。
「なんだ!これ!!」
と鞄から何かを取り出しました。

僕が入れたカギを見つけたんだなと思いニヤニヤしていたと思います。
しかし、先輩が鞄から出したものはキーホルダーがついたカギでした。

僕が入れたのはカギだけです。絶対にカギだけです。

なのに、先輩が持っているカギにはキーホルダーがついているのです。

僕以外のメンバーは、「なになに!」「これやばくない!」と大はしゃぎしています。
しかし僕は、完全に嫌な予感しかしていませんでした。

僕の予感をよそに、他のメンバーは「この鍵どこの鍵かな?」「ホテル内探しに行こうか?」と話していました。
僕は、自分がした悪戯をみんなに話すことができずにいました。

そのせいで、もう一度廃ホテルに戻ることになりました。
みんなで、鍵のかかっている部屋を探したり鍵穴にカギを指して確認したりしましたが、この廃ホテルに合う鍵ではありませんでした。

僕のイタズラのせいで、気づけば朝方になっていました。
全員、鍵に気を取られていて、どんなキーホルダーがついているのか確認していませんでした。

そのことに気が付いた僕は先輩にキーホルダーを見せてもらいました。

そのキーホルダーは、中に写真が入っていました。
写真は、子供と父親が写っていて、どことなく幸せそうな雰囲気でした。

メンバーにそのことを伝え写真を見てもらいました。
するとメンバーは全員青ざめていました。

僕はメンバーに「どうしたんですか?」と聞くと、部長が「ありえないだろ」と消え入りそうな声で呟きました。
それがどういう意味かこの時は分かりませんでした。

キーホルダーの写真を見てから早々と帰宅することが決まり、車二台で来ていたので家の方向が同じ人同士乗り合って帰ることになりました。

僕は、部長と違う車だったので、明日にでも鍵の件を正直に話して許してもらおうと思っていました。そして、帰宅途中の車内で先輩に写真の件を聞いてみましたが、なかなか話してくれませんでした。

しかし、僕もしつこく聞き続けると先輩は、重い口を開いてこういいました。

「あの写真に写っていた男の人…俺たちが見つけた遺体の男なんだよ…」

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