悪縁として切られた私

私が大学生の頃です。当時私は付き合っていた彼氏がいました。関係は良好で毎日楽しく過ごしていました。

ある日、彼はバイト先の男友達と旅行へ行く事になりました。少し羨ましかったですが、男同士気の置けない仲間と楽しんで来てと送り出したのです。旅行中も写真を送ってくれたりと気を遣ってくれる彼に優しさを感じていました。

しかし彼が帰って来た時、事件は起こります。デートの待ち合わせで彼の姿が見えた時、急に背筋がゾッとする感覚を覚えたのです。彼は至っていつも通りで優しく手を繋ぎエスコートしてくれます。普段なら喜んで胸が高鳴るのですが、その時は何をされても得体の知れない恐怖が襲うのです。

とうとう我慢できなくなり、「もう貴方とは会いたくない」と自分から別れ話を切り出しました。彼は困惑していましたが、私の気持ちは変わりません。嫌いになった訳ではないけれど一緒に居たら恐ろしいものに飲み込まれてしまうと思ったのです。

後から聞いた話ですが彼は旅行中、悪縁切りで有名な神社へ行ったそうです。決して誰かと縁切りしたい訳ではなく軽い観光気分です。しかし、そのご利益が、私と言う相手に対ししっかりと有ったのです。不本意ながら、悪縁として切られるとはこういう事かと身をもって体験した出来事でした。