自称・霊能力者は本当か?
投稿者:take (96)
妹が高校三年生の時の話です。
大学も決まり、卒業式を待つだけという暇な時期、せっせとアルバイトに勤しんでいました。
バイト先のコンビニは住宅街の外れにあり、客もさほど多くありませんでした。
同僚にAさんという三歳年上の、長い黒髪を一つ縛りにした化粧っ気のない地味顔の女性がいました。自称・霊能力者で、怪異に出遭うのは日常茶飯事という触れ込みでしたが、妹は半信半疑だったそうです。
ある日の夜の八時頃、店内に客もおらず、妹とその人の二人きりになりました。
商品をチェックしていると、チャイムが鳴って入り口のドアが開きました。
いらっしゃいませー、と言いつつ、そっちを見ると、誰もいません。
あれ、と妹が思っていると、「見ちゃダメ!」とAさんが大声で言いました。
驚いて固まっていると、Aさんがレジカウンターから出てきて、妹の顔を自分の胸元に押し当てるようにして抱きしめ、「動かないで、いま、入ってきてるから」と言います。
彼女の様子は尋常ではなく、顔は青ざめ、体はガタガタと震えていて、ぶつぶつと念仏のようなものまで唱えています。
妹は、え、この人マジでやってる? と思いながらも、動かずに従いました。
しばらくすると、また誰もいないのにドアが開閉すると、Aさんが力を抜いて「大丈夫、出て行ったから」と、妹を離しました。
「ちょっとヤバかったよ、妹ちゃん。あいつ、あなたに興味示してた」と、言われて「はあ……」と言うしかなかったそうです。
「あれ、本当だったのかなー、と思うんよね」
私と妹も『霊感体質』で、妹の力はかなり強いですが、その時、全く何も感じなかったし、見えなかったそうです。
「自動ドアが勝手に開いたのは確かなんだけど、ボロくてしょっちゅう誤作動起こしてたから……でも、タイミングが良すぎか」
私の高校時代には、規格外の『霊感体質』の先輩がいましたし、
「上には上がいるってことじゃないか?」
そう言うと、
「まあ、そーだね……でもさー、Aさんに抱きしめられてたとこ、防犯カメラに映ってるんだよ、誰かに見られてたらやだなー」
妹は苦笑しつつ肩を竦めていました。
Aさん自体に何か取り憑かれているのじゃないかな。多分
勘違いされるのもコワイですね(笑)