学園祭のお化け屋敷

『建物の角部屋でお化け屋敷をすると、本物の幽霊が寄ってくる』

そんな都市伝説知っていますか？
大学生当時の私は微塵も気にしていませんでした。
そんな大学生のときの学園祭、私たちのサークルはお化け屋敷をすることに。
場所は、建物の３階角部屋。
私が、交代で脅かし役をしていた時のことです。
怖がりながら入ってきた高校生くらいの女の子たちが、誰もいない場所を差して
「あそこにも女の人がいる！」

としきりに言って、なかなか先に進んでくれないのです。
そこには誰もスタンバイしていないことを知っていた私は、後ろが詰まりだしたこともあり、
「そこは誰もいないから大丈夫ですよ」
と声をかけたものの、「いる！」と主張して通ろうとしてくれません。
どうにか説得し進んでもらいましたが、あまりに主張していたので、気味悪く思いながらも気にしないようにしていました。

しかし、時間をおいて、次の脅かし役として交代するために戻ってきたサークル仲間が、
例の場所を差して
「あれ、あそこにいるの誰…？」

と言うのです。
あの女子高生たちがいたとき、ここにはいなかったはずなのに。
青ざめた私を見て、他の仲間から事情を耳打ちされたその人は、あまりに私が怖がったからか
「あ、ごめんごめん、冗談…からかっただけだよ」
と言ってくれましたが、いつもの様子とは違い動揺しているのは明白でした。

そして何より、その後もちらほらと、誰もいないそこで驚いたり怖がったりする人がいたのです。

学園祭が終わった後、私たちのサークルになにか異変が起こったりということはありませんでしたが、
学園祭の季節になる度に、あれは本当にいたのだろうか…と思い出す出来事です。