耳鳴りの理由
投稿者:ティアラ (1)
短編
2022/10/24
18:47
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私が中学生だった時、授業中に突然耳鳴りがありました。
それは普段あるようなキーンというものではなく、まるで水に落ちた時のように激しいゴボゴボゴボッという音だったので、驚いた私は思わず耳を押さえてしまうくらいの衝撃でした。
数十秒ほど耐えた後、それはおさまったので(今のはなんだったんだろう?)と思いつつまた授業に戻ったのですが、それから数日後、中学校の外にパトカーが止まり、教室中が騒然とすることとなったのです。
何があったかという話が回ってきた時、私は血の気が引きました。
自分の席の延長線上にあった学校の前にある用水路に、自転車に乗っていた高齢者が倒れ込み、溺れて亡くなっていたのです。
それは死後数日経っていたとの情報を聞いて、あの時の耳鳴りはその方が溺れた時にリンクしてしまったのだろうとすぐに感じました。
もともと家でもモヤリとした空間を通り抜けて、(あ、今のは亡くなったお母さん方のおばあちゃんだ…)と手を合わせたりすることもあったので、その方と繋がってしまったのかもしれません。
その時にもしも私がすぐに気づいて助けてあげられていたら、としばらくは罪悪感と闘っていましたが、そんなことはできるはずもなく仕方ないこともある、これからは困っている人に気づいたらすぐに手を差し伸べよう、と心に決めた学生時代でした。
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