M県で実際に体験した話です。
自分が大学生だったころ。海岸線のリゾート地に近いところに、廃病院がありました。
海岸から吹き寄せる海風のせいか、ボロボロ加減に拍車がかかっていて、今にもぐずれてきそうな感じがして、想像以上に恐怖を感じさせる建物でした。
若者男女４人グループで、やめておけばいいものを、怖いもの知らずのいきおいだけで、その廃病院に肝試しに行くことになりました。
ワンボックスカーに乗り込み、真夜中のドライブをして、真夏の深夜、草木も眠る丑三つ時に到着。
塩分たっぷりの生あったかい風が、どこから吹くともなく吹いていました。
廃病院の玄関は、すでに荒れ放題で、簡単に入ることが出来そうでした。そのグループの霊感の強い子がいうには、「私は、霊を近くに感じると、ゾワゾワとして、全身の毛が逆立つような感じがするの…」と言っていました。
そこで自分は「ゲゲゲの鬼太郎の妖怪レーダーみたいで便利じゃん」とすっとぼけたジョークを飛ばして、その段階では余裕を見せていました。
懐中電灯を片手に廃病院内に、ガラスの破片などに気を付けながら、土足で入っていきました。
しかし、廃病院の中に入り、受付や診察室らしい所を通り抜け、病室あたりの所までいったときに、何かが落ちる音がしました。
それから、突然白いもの（白いものとしか、表現できない異様なもの。全員が何かを見ていました。）が現れて、グループ全員が驚いて逃げ出しました。
落ちているガラス等にあまり気を配る余裕もなく、何とか車に乗り込み、早々に走り去りました。後から自分たちの姿をチェックしてみると、色んなところに擦り傷を作っていました。
明るくなってきてから、車を調べてみると、ワンボックスカーの一番後ろのリアシートがびっしょり濡れていました。何か大変なモノを廃病院から連れ出してしまったかのような恐怖を感じていました。
あまりの怖さのため、その車の持ち主は、すぐにその車を売ってしまいました。
それ以降、だれもこの話題はタブーにして、触れようともしなくなりました。二度と誰も、肝試しをしようなど言い始めることは、ありませんでした。
みなさんくれぐれも、肝試しはご用心あれ。
はい。
尿？