エレベーターのないマンション
投稿者:KJ (1)
30余年の人生において直接的な霊的な体験はあれ一度きりだ。暗い夜道で霊的な人影を感じる。トンネルや夜道で嫌な感じがするということはたびたびあるのだがあれほど衝撃的な体験はない。
私が小学1年生の頃と記憶しているが、当時私はファミリー層向けの五階建てのマンションに住んでいた。
ある晩のこと当時八時に寝ていた私は親にそそのかされてテレビを渋々中断し寝床にむかった。その日も時折感じる嫌な感じがした。
当時そのマンションで時折感じる寒気を感じるような嫌な空気を感ずることがたびたびあったのだが、その日は一層強く感じた。
霊的なもの存在は半信半疑であったが当時テレビ番組で心霊特集を頻繁にやっていたこともあり特に嫌な感じがするときはリビングからの光が入るようにドアを少し開けていた。
その日も例によらずドアを開けて寝ていた。
うとうとし始めたころなるに急に人生はじめて金縛りにあうこととなる。
目ははっきりさえているのだが手足が全く動かない。目に見える変化はないのだが例の嫌な感じがだんだんと強くなる。
リビングの家族に助けを求めたいが声が全くでない。パニックになっている。
実際の時間は数十秒程度だと思うが永遠にかんじる時間であった。
ある瞬間、突然人に足をつかまれる感覚が襲う。
その瞬間に体が急に動くようになり、声をだしリビングに飛び出した。その刹那寝室の本棚の窓が割れた。何も触れていないのに。
奇声とともに寝室から飛び出してきた私を見ていた両親がきょとんとしている。リビングはいつもの風景だ。
ことの経緯を話すと両親には笑われた。本棚のガラスがわれたのも出てくる際にあなたがぶつかったことが原因ではないの?とはいわれひとりでに割れたことは信じてもらえなかった。
その後当時オカルト番組でやっていた盛り塩をキッチンにあった粗塩を拝借して部屋の隅に鎮座させた。
それ以降直接的な危害を感じることはなかった。
後年発覚したことだがなぜファミリー向けの五階建てのマンションなのにエレベーターがなかったのか聞いたところ、当時私が住んでる部屋あたりでエレベーターの建設中に転落事故がありエレーベーターの設置を見送ったようだ。
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