腐ラザー
投稿者:壇希 (11)
温厚な見た目の安達さんは、その外見からは想像できないが、かつてはアウトレイジな世界の住人だった。
「こう見えても度胸が据わってたんでね。人が怖いと思うことは進んでやった。ムショにぶち込まれた事もあったなぁ」
安達さんにはみつるという兄弟がいた。みつるさんはあちらの世界の兄弟でもあり、実際に血の繋がった肉親でもあった。
「俺の実の弟なんだ。二つ下だったかな。だけど、向こうの世界に俺を引き入れたのはあいつなんだ。だから、組織の中ではあいつが兄貴だな」
安達さんに似て血の気の多いみつるさんは、早くから組織の目に留まっていて、安達さんが入った時には既に組織に机を構えていた。
「親がクズだったから、その分兄弟の絆は固いと思ってた。酒を呑むと、二人でどん底からのし上がろうなんて朝まで話してたなぁ」
しかし、二人の兄弟の運命はのし上がるどころか、さらに下へと墜落してしまう。
「みつるがヘマを打ったんだ。詳しい事は知らない。知る前には組織の連中に囲まれてたからな」
組織は安達さんに、みつるさんを捨てて組織側に付くよう通告した。しかし、安達さんは実の弟を見捨てることなど出来なかった。
「あいつらは考える猶予なんかくれなかったね。解答に詰まるってのは、ノーって言ってるのと同じなんだ。」
その後が凄惨だったという。穏やかに話していた安達さんの表情が強張った。
「二人とも半殺しにされて、なんとか二人逃げ出して。その後の逃避行は生きた心地がしなかった。都内に居たら見つかるってんで田舎へ田舎へ逃げるだが、あいつらどこまでも追いかけてくるんだ」
安達兄弟は幾度となく組織の追手に捕まった。その度に、常人には耐えられないような拷問を受けたという。
「それでも、兄弟力を合わせて命からがら二人で突破してきた。今俺が生きてるのはあいつのおかげだよ」
しかし、どこまでも追いかけてくる組織に次第に追い詰められ、とうとう安達さんは八方塞がりになった。
そんな安達さんに、組織はある条件を示してきた。
あだちみつる?
御愁傷様です❗
普通下手うったら海外に飛ぶイメージだけど国内だったんだね!
コリアン・クライム・ムービー?