笑顔の下のどす黒い感情

中学の修学旅行の話です。

とある地方に旅行に行きグループに分かれ普段見ない神社仏閣を堪能していました。

私のグループはある曰く付きの寺へ向かいました。

そこは縁切り寺と呼ばれる寺で肝試し気分で赴いたのです。

絵馬には様々な恨みつらみが書かれており皆ゾッとしつつ楽しんでいました。

こんなすごい事書いてあると口々に言い合いある子が「私達も絵馬を書こう」と言いました。

自分達のドロドロしたところを見られるのが嫌で最初は皆渋っていましたが絶対見ない事を条件に書く事にしました。

私も嫌な友達と縁を切りたいと書いてこっそり絵馬を掛けました。

全員書き終わったので寺を後にする事にしました。

そしたら急に風が吹いて私は持っていたパンフレットを飛ばされてしまいました。

1人駆け出して追いかけたらそこは丁度絵馬を掛ける場所。

そこで私は見てしまいました。

グループで最も大人しい子が書いた絵馬に「A子とB子とC子が通り魔に襲われて地獄に落ちますように」と書かれていたのです。

その子は大人しいけれど友好的な子でそんな事を思っていた事にゾッとしました。

しかも絵馬に書かれていた子達は普段その子が仲良くしている子達です。

ニコニコ楽しそうに付き合いつつ心の底は恐ろしい感情が渦巻いていました。

絵馬に書かれた子達がその後どうなったかは分かりませんがどす黒い心を持ったまま付き合い続けるのは辛いでしょうからきっと縁は切れたのだと思います。