赤坂の公園の1本松
投稿者:cocoro (16)
昔、小学校の高学年に住んでいた家での出来事です。
赤坂というところに住んでいました。社宅の長屋のようなところで、ある夜寝ていると、叫び声が聞こえて目を覚ました。
叫んでいるのは、母でした。真っ暗闇な中で父に何かをゆって、首を絞めています。
二段ベットの下側に寝ていて隣に両親が寝ていたので、よく見えました。
母の顔は、目を大きく開けて、別人のように何かを叫んでいます。
父は、びっくりしているようすで母の手を首から離そうとしていました。
おまえかっ!!おまえがやったんやな!と父におまえといっています。
あきらかにおかしく感じました。
大好きな父に、おまえとは一度も言ったことはないからです。
ようやく、父が母の手を首から外して、母の体をゆすって、大丈夫か!というと、母は、ばったりと布団の上に倒れてしまいました。
母は血圧が高く、何度も倒れているのを見ていたので、いつもはそれほどびっくりはしませんでしたが、今回は倒れ方がバサッと何かが抜けた感じで崩れ落ちるような感じだったので、異様な光景でした。父は慣れたもので、聞くと何度かこのように寝ていると、急に起きてきて別人になることがあったそうです。
次の日、お寺に行くと母はあの時のことを全く覚えておらず、御上人によるとこうでした。
この赤坂という土地は、昔、おいはぎがたくさんでる道で、女の人に乱暴したり、着ているもの持っているものすべてを奪われ殺される事件が相次いだ場所なので、赤い血で染まった土地からこの地名がついたようで、私たちの住んでいる裏側に児童公園があって、その中にひときわ大きな1本松があり、そこで首をくくって亡くなった無念の老婆が母に毎夜毎夜ついて出てきていたそうです。
その公園も昔は墓地だったらしく、みんなが集まってにぎやになることで、浮上物霊を慰める効果を期待して作られていたそうです。
お祓いをしてもらった次の日から、母の奇怪な行動はなくなりました。
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