深夜の兄弟
投稿者:わたあめ (6)
短編
2022/06/25
14:40
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今から15年くらい前のはなしです
当時小さなレストランで働いていました
毎日9時〜23時くらいまで仕事をして1時間車を運転して帰るという日々の繰り返しでした
勤めていた会社の社長がアパートを無料で貸してくれていたので多少通勤距離があってもありがたく借りていました
5月のゴールデンウィーク直前の日
いつものように1日働きヘトヘトに疲れ車を運転していました
アパートは過疎化が進む地域にあり周りにコンビニなどは無く、それどころか街灯すらありませんでした
もう少しでアパートに着く、というところで近所の老夫婦が営む商店に差し掛かりました
もちろん営業どころか電気もついていませんでした
しかし店舗前に設置してある自動販売機だけは明るく光っていました
いつもは気にならないのですがふと目をやるとその自動販売機の前にランドセルを背負った男の子(ランドセルが黒だったので)の兄弟が体育座りしていました
「明日からゴールデンウィークだからなぁ、、、」
と思いそのまま通り過ぎました
帰宅後夕食中に
「いやいや、流石にゴールデンウィークでもこの時間はないでしょ、、、」
と思い直しましたが、確認に戻るのも億劫なのでそのまま寝てしまいました
その後何度もその自動販売機の前を通りましたがその兄弟を見かける事はありませんでした
あの兄弟が幽霊なのかどうかはわかりませんが、むしろ幽霊じゃない方が怖いなぁと思いました
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