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呪い・祟り

津々さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

降霊術の失敗
長編 2022/04/08 21:19 5,201view
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僕が、中学2年生の時の話です。
当時は、心霊ブームで夏の時期になると心霊番組がたくさん放送されたり各局のお昼番組でも怖い話や心霊を取り扱ったりしていました。
その中でも、降霊術(こっくりさんやエンジェル様)が流行していました。流行しすぎて近隣の学校では禁止になっている所もありました。

僕たちの学校はまだ禁止になっていなかったので、毎日のように昼休みや放課後にこっくりさんをやっていました。
いつものメンバーは自分を入れて男3女2の5人で行っていました。毎回こっくりさんにする質問は、他愛の無いモノばかりで「○○の好きな人は?」や「近くにお金が落ちている場所は?」とか本当にふざけた物でした。

ある日、隣のクラスの友人Sが僕に話しかけてきました。
Sは「昨日、いつもみたいにこっくりさんをしてたらさ。O(先生)が入ってきて。こんなものを信じてる奴はクズだ!って言って来て説教されたんだよね」というのです。
僕はOに「やっぱりOはムカつくやつだな。なんか仕返しできないかな?」と冗談半分で行ったのですが、Sは「それナイスアイディア」といってニヤニヤしていました。

次の日の昼休み、Sが僕の教室に来ました。
Sは「今日の放課後、Oに仕返しを実行しよう」というのです。

僕はSに「どうやってすんの?」と聞き返すとSは「こっくりさんに頼む」と自信満々に言いました。
僕はすぐに「そんなの無理だべ?」といいましたが、Sは「ちゃんと秘策があるから任せとけ」といい教室を出ていきました。

そして放課後になり、僕の教室にSと同級生のT、Y、W、も教室に来ました。
僕は4人に「本当にやるの?」と聞くと、4人は「やるにきまってる!」と怒り気味でした。
S以外の3人に話を聞くと3人ともOに怒られて復讐を考えていたそうです。今思えば、単なる逆恨みなのですが…

僕はSに「どうやってOに仕返しするの?いつも通りにやっても何も起こらないんじゃない?」と聞くとSは「ちゃんと調べてきました」と手には怪しげな本を持っていました。
その本の表紙は狐面で「こっくりさんのやり方」みたいな題名でした。
僕はSに「そんなのどこから持ってきたのよ」と笑いながら聞きましたが、Sは「図書館から借りて来た」と大マジな顔をしていたのを覚えています。

そして、教室内の窓を全部閉めて人も出て行ってもらい教室内には僕ら5人しかいない状況を作りました。
そして、Sは鞄の中からおもむろに、買い物袋を取り出しました。

僕はSに「何持って来てんのよ」というとSは「お供え物」というのです。
確かに、Sが買い物袋から取り出した物は、日本酒、油揚げ、お米、といった本当の儀式に使うようなものでした。

僕は内心、(本当にヤバいことしようとしてるんじゃ)とは思いながらも、やめようとは言いませんでした。
Sは、本を見ながら準備を進めていきました。日本酒を置く位置、米を置く位置、油揚げを置く位置…どんどん準部は進んでいき、最後は紙と10円玉を鞄から出しました。

紙には、50音と鳥居、はい・いいえ、男・女、0~9までの数字を書いたものでしたが、僕たちがいつものやり方とは違うところがありました。
それは、字が全て赤だったのです。その事に気が付いたTがSに「この赤いのはマジックで書いたの?」と聞くとSは「血で書いた」というのです。

僕たち4人は驚きました。
Sの声のトーンは明らかに冗談を言っている感じがしなかったからです。
それでもTは「なんの血を使ったんだよ」とSに聞きました。
するとSは「ウチのムサシ(飼い犬)の血。この本に書いてあるんだけど、狐と犬って相性が悪くて喧嘩するんだって。だから犬の血がいいって書いてたんだ。そして、10円玉も57年の戌年の奴を使うんだ」といいながら、10円玉を見せてきました。

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