子供の頃から見える死神
投稿者:ぞい (15)
短編
2022/04/04
18:22
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小学生の時から私は死神が見えます。
それはイラストなんかで描かれるような黒マントの骸骨で大きな鎌を持ったものではなく、普通のおじさんです。
親戚のお葬式に行った時に必ずいるおじさんで、誰とも話さずにただお酒を飲んでいました。
はじめは親戚の誰かかと思いましたが、近所のおじいさんのお葬式にもそのおじさんがいました。
親に聞いても誰なのかはっきりしません。
普通のおじさんなんですが、喪服は着ていなくて茶色のスーツです。
私が違和感を感じたのはそれだけではなく、告別式が終わってみんなで個人を偲んで飲食をする場にいつの間にかいるということでした。
さらに違和感があったのが、他の参列者がそのおじさんを避けるようにするんです。
おじさんが飲んでいる席は必ず一番端の席で、隣の席は必ず一つ空いています。
お酒を注ぐこともしないで、話しかけたりしません。
一番の違和感は、お坊さんが飲食を終えて帰る時に必ずおじさんに会釈をすることでした。
どんなに離れた場所からでもお坊さんはそのおじさんの方向に会釈をするんです。
大人になり、事故で亡くなった友人のお葬式に行った時もそのおじさんがいました。
容姿は全く変わっていません。
私はあのおじさんは死神なのではないかと思っています。
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