内に秘めた怒りと嫉妬の恐ろしさ

大学生の頃の話です。

私には当時仲の良い友達が居ました。

同じ漫画が好きと言う趣味が有りすぐ打ち解け休日も一緒に遊びに行ったりしていました。

ある日私には彼氏が出来ました。

友達より彼氏の方が優先事項となりその友達とはなかなか会えなくなりました。

特に友達は気にしていない様子です。

ある日、その友達は私が持っている漫画を貸して欲しいと言いました。

同じ漫画を好きになってくれた嬉しさで快く貸しました。

1週間ほどで返って来ると思っていましたが1か月過ぎても返って来ません。

流石に遅いと思い催促したら「ごめんね、すぐ返すよ」と翌日律儀に袋に包んで返って来ました。

至って普通のやり取りで私も特に友達を責め立てると言う事はしませんでした。

家に帰り久々にその漫画を読もうと袋から取り出すと、漫画が刃物でズタズタに切り裂かれていました。

驚いて翌日恐る恐る聞いてみようとしましたが友達は至って普通に挨拶しお喋りするのでそれが余計に不気味に思え聞き出す事が出来ませんでした。

それ以降その友達とは距離を置き今では音信不通です。

恐らく私に彼氏が出来て蔑ろにされたと思ったのでしょう。

直接言えないからその怒りと嫉妬心を私の漫画にぶつけたのだと思います。

感情を露わに攻められるより余程怖い体験でした。