押し入れの箪笥
投稿者:もんもん (4)
これは私が6歳くらいの時の実体験です。
当時住んでいた家には6畳ほどの和室があり、押し入れには焦茶色の和箪笥がしまってありました。
私は幼い頃、和家具や和雑貨が苦手で、その箪笥に対しても、日本人形に恐怖を抱く感覚と似たような苦手意識を持っていました。しかし、和室にはビデオデッキが設置された大好きなテレビがあったので、いつも我慢して押し入れを背にテレビを見ていました。
ある日、1人でいつも通りテレビを見ていると、急に押し入れの戸がバンッと勢いよく開く音がしました。びっくりして振り返ると、あの箪笥がゆっくり開き、真っ白な手が伸びてきたのです。まるで無くした物を探すように、左右に動いていました。
しばらくして手は箪笥に引っ込み、ゆっくり閉まりましが、私は恐怖で動けませんでした。
1人でいたはずなのに戸が開くはずがない。ましてや箪笥から手が出るなんてありえないのに何が起きたのか分からない。そんな恐怖心を母親に伝えるべく、一生懸命その出来事を伝えました。
しかし、まだ幼かったせいか、母親に訴えても夢でも見たのだろうと言われ、相手にしてもらえませんでしたが、これは紛れもない現実で起きたことです。
小さい子は大人に比べて霊を見ることが多いといいますが、この出来事もそれに該当するのでしょう。
和箪笥は10年近く経った今でも使っていますが、あれ以来あの真っ白い手を見かけていません。もしあの手に掴まれていたら、私はどこへ連れて行かれたのでしょう。
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