バイク事故で轢いたのは

私が大学生だった頃の話です。
アパートが駅から離れていたため、通学のために中古の５０ccのバイクを買いました。
その当時の地方から上京した私は友達がなかなかできず、キャンパスの中でも一人でいることが多かったです。
そんな私に声をかけてくれたのがHでした。
Hは実家が蜜柑農家をしており私に「みかんあげるよ」とランチのたびに声をかけてくれるのでした。
ずっと一人ぼっちだった私にとってHは大学で初めてできた友達となりました。
その後もアルバイト先を紹介してくれたり、私に本当に親切にしてくれました。

これまでの友達でもこんなに親切な人はいなかったと思います。

ある日雨の日に彼のアパートに行くこととなりました。
アパートの奥にはカーテンが敷かれていて「何があるの？」と聞くと彼は
「気にしないで」と言いそのままテレビを見ていました。

彼がトイレに行くと、私はどうしてもカーテンの向こう側が気になったように思いました。
そして惹かれるようにカーテンを開けてみたくなりました。

中には水槽に三段の水槽が並べらて、暗めの白熱電球で中が照れされていました。

水槽の中はには砂利が敷かれ時折、ザザザと音が小さく聞こえました。
中をよく見ると蛇がいました。
蛇は私の目を睨みつけました。
いつ番上の水槽の蛇は小動物を食べたかのように腹を膨らませているのでした。
その蛇はずっと私を見ているような気分にさせられ、気分が悪くなりそのまま自分の家に帰りました。

夏休みを前にHは大学を退学しました。私にも何も理由を言いませんでした。

ひどく暑い夏休みのある日、私はバイクで何か轢いてしまい、そのまま転倒し救急車で病院に搬送されました。
命に別状はなかったものの骨折が数箇所ある重症でした。
警察の方が言うにはバイクは蛇を轢いたとのことです。