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心霊

ファンタジスタさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

死者からの伝言
短編 2021/12/25 18:09 1,292view
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これは私が葬儀関係の仕事を行っていた時、よく使っている火葬場職員の人から聞いた話です。

遺体を火葬すると気管内に溜まっていた空気が抜ける時に音がするため、これが死者の言葉という都市伝説になっていますが、その人も何回か言葉らしきものを何度か聞いたことがあるそうです。

その中でもある老婆を火葬した時に「悔しい」と聞こえたことがあるそうです。
この時、その人はおかしな体験をしました。

その老婆は病気で長く療養していて、その世話を二人の娘が行っていましたがその内容は褒められたものではなく、ほとんど何もせずに放置していたために体は汚れまくり、食事も流動食を無理やり飲ませていたようでむせ返り、寝ていたベッドは汚物まみれになっていたそうです。

また死因については認知症も発症していたことから飾っていたスズランの花瓶の水を飲んだことによるアコニチン中毒となっていましたが、本人が好きな花でもないのになぜ飾っていたのか娘たちもわからないと口を濁しています。

そして火葬の時に棺桶には好きだと聞いていたので親族の一人がスズランを入れたのですが、二人の娘は母親の命を奪った花を入れるのは不謹慎だと最後まで反対していました。

結局は花に罪は無いという多くの参列者の言葉で渋々納得したようですが、問題になったのは火葬が終了して遺体を取り出した時です。

なぜか入れていたスズランが焼け残っていて、それを遺体の手がしっかりと握っていたそうで、一同が驚愕したと火葬場職員の人は話してくれました。

「悔しい」という言葉は空耳の可能性がありますが植物であるスズランが焼けずに残り、それを遺体が握っていたのは、二人の娘がスズランの毒を使って死期を早めたのではないかと直感したそうです。

ただ、この件に関しては完全な事故で片付いてしまい二人の娘が罪になることはなかったのですが、本人が好きでもなかった花を飾ることが不思議であり、裏に何かあってもおかしくないとその人は話してくれました。

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