真冬の工事現場での恐怖体験
投稿者:ファンタジスタ (10)
これは20年ほど前の事の話で、私が仕事で建築資材を配達した時に体験した実話です。
私はその当時、建築資材の販売店に勤務しており、月末で請求書の作成が溜まっていて、夜中まで残業をしていました。
午前1時頃に突然電話が鳴り取ってみると、普段お世話になっている業者様からの電話でした。
アパートの工期が迫っており徹夜で作業をしていたが、資材が足りなくなって電話を下さったとの事でした。
私も請求書を片付けなければならず夜中でしたので配達を渋っていたのですが、いつもお世話になっている業者様のうえに私が新人の頃から可愛がって下さっていた現場監督さんのお願いでしたので断る事ができませんでした。
資材を揃えるために倉庫に行くと、2月という季節で肌を刺すような寒さでしたが、仕事だと割り切って資材を揃えました。
資材がそろい会社を出たのが夜中の1時30分頃で2時過ぎには現場に到着しました。
現場に着くと8階建てのアパートの最上階に照明が明々と灯っていて、寒さをこらえて階段で8階まで上がって行きました。
建築資材を引き渡し、お礼にもらったあったかい缶コーヒーで手を温めながら階段を下っていきました。
建築途中のアパートはドアも窓もまだ設置されておらず吹き抜けの状態で、階段からベランダの外が見えていました。
3階まで下りてきたところで顔を上げると、ベランダに人影が見えました。
照明は無く真っ暗ななか目をこらして見ると、大きなツバの白い帽子をかぶり、夏物の真っ白い半そでのワンピースを着た女性でした。
立ち入り禁止になっている建築途中の現場で午前2時という真夜中に、これだけ真冬の寒い時期に夏物のワンピースを着た女性が立っているはずが無い…と我が目を疑いましたが、暗さに目が慣れるにつれハッキリと見えるようになり、間違いなく夏物のワンピースを着た女性が風にスカートを揺らせながら立っていました。
私は「これは見てはいけないもの」だと思い、怖くなって転びそうになりながら階段を駆け下り、トラックに飛び乗り現場を飛び出しました。
次の日、笑われるのを覚悟で現場監督に昨夜の出来事を話すと「お前も見たのか!?」と変に納得した顔で冷静に話をしてくれました。
現場監督が話してくれたのは、3階のあの部屋のベランダで私が見た女性を目撃したのは4人目である事。
地主である不動産屋に聞いた話では、元々アパートを建てようとしている土地はいわく付きの土地で、アパートを建てる前はご両親と娘さんの3人で暮らしていた家が建っていたらしいのですが、娘さんが自殺で亡くなられてご両親も引っ越してしまい、その家を壊した土地にアパートを建設しているという話でした。
その数日後には、神社の神主さんに来てもらい大々的にお祓いをしてもらっていました。
アパートが建つ以前の話の真偽は私にはわかりませんが、目撃した4人とも立っていた女性の背格好や洋服は一致していて、そもそも真冬で夜中の建設途中の工事現場に、真夏の恰好をした女性が立っている事自体が信じられない事です。
今まで霊感など感じた事の無い私ですが、この恐怖体験だけは忘れられない思い出です。
だいたい幽霊って季節感ない奴多いよね?
もうちょっと考えて出てこないと
飽きられるやろし。
またプリウスか‼️