バタバタ足音が聞こえるトンネルでの恐怖体験
投稿者:ぴ (414)
うちの家の近くに、歩行者用のトンネルというのがあります。田舎なのに、珍しい長いトンネルで、私はそのトンネルにできるだけ近づきませんでした。怖がりな私にはそのトンネルは怖すぎたのです。
しかし、そこを通るしかないという日がありました。塾帰りにどうしても両親が仕事で送り迎えができなくて、自転車で通うことになったのです。私は自転車でそこを通過することにしました。歩きよりはトンネルで長居しなくていいと思ったからです。行きは何も問題なく行けました。まだ外が明るかったこともあり、怖さは半減でした。しかし帰りになると周りが薄暗くなって、6割増しくらいトンネルに雰囲気がありました。そのトンネルを私は一人で自転車で通ったのです。
鼻歌でも歌って怖いのをごまかそうと思いました。しかし、声がいやに反響するトンネルだったので、自分の声が響くのもまた怖くて止めました。そして無音で走り抜けてトンネルの中盤に差し掛かったところでしょうか。後ろからバタバタバタバタを突然大きな音がなりました。思わず「ぎゃぁ」と私は叫びました。なんというか数人が後ろから走って追いかけてくるような足音が聞こえたんです。
後ろを振り向いてぞっとしました。だって私の遥か後ろでしたが、髪の毛を振り乱した女の人が追いかけてくるのが見えたからです。自転車をフルスピードで漕いで私はトンネルを抜けました。あまりにスピードがついて、トンネルを出た先で自転車ごと壁にクラッシュして私は思いっきりこけました。ものすごく痛くて数分その場で動けなくなり、もう駄目だと思いました。
しかし、どれほど待ってもその場に女の人が追いかけてくることはありませんでした。私はようやく動けるようになって、必死で自転車をついて家に帰りました。家に帰りつくとなんだか涙が溢れてきて泣けました。全身ぶるぶる震えてしまって、さっきのは何だったのかと何度も考えて身が震えました。
結局あの髪を振り乱した女性が何者だったのかは分かりません。私の恐怖心が見せた幻影だったのでしょうか。でもいまだにあの後ろから聞こえる足音は耳にこびりついていて、離れません。あの後しばらく私は塾を休みました。絶対あのトンネルには何かいると私は思っています。
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