消えた女の子
投稿者:権之助 (8)
私が中学生の頃の話です。
その日は休日でしたが部活動の試合がある為、部員は朝7時迄に学校に集合して、みんなで試合会場へと行く予定でした。
私の家から学校までは、家の前の道を真っすぐに歩いて行けば5分くらいで着く距離です。
家を出てすぐに私は自分とは反対側に赤い何かが置いてあると思って歩いていました。
だんだんと近づくと置物ではなくて小さな女の子だと分かりました。
休日のこんな朝早くに小さな女の子が一人で道端にしゃがんでいるのは変だと思いながら、その女の子から目を離せずに歩いていました。
その時は何故だか分かりませんが心臓がもの凄くドキドキしていたことを覚えています。
女の子の真横を過ぎる時は本当にドキドキがマックス状態でした。
見た感じ4歳くらいの女の子でした。
まわりには誰もいなくて女の子が一人でしゃがんでいるだけでした。
真横を通り過ぎた後、私は女の子の事が気になり振り向いて見ると女の子はいません。
辺りをキョロキョロしても、どこにも女の子はいません。
私が女の子の横を通り過ぎてから振り向くまで10秒か15秒くらいです。走り去ったとしても曲がり角はかなり遠くにあるので、小さな女の子では辿り着いていないと思います。
私は怖くなってしまい足早に学校へと向かいました。
前方には友達がいて私の方を見て手を振っていました。あの時は友達がいて本当にホッとしました。
友達の近くまで行くと友達も私の方に走って来ていました。
そして友達が興奮気味に「消えた!女の子がすぅーって消えた!」と、友達の方が私よりパニック状態になっていました。
私と友達が見た小さな赤いスカートの女の子は一体何だったの?
その後、私は親の都合で引っ越しをする事になりました。
今でも、その時の友達とは連絡を取り合っています。
そして必ず「あの日、私達は本当に小さな赤いスカートの女の子を見たよね?」と話をします。
忘れたいけれど忘れられない記憶。
そして私と友達は何故その女の子を見ることになったのか?未だに分かりません。
あんなに怖くて不思議な出来事は、もう二度と体験したくありません。
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