手のひらから薬品の匂いがする不思議な現象

いまだに不思議に思っている事があります。
今から18年前の冬のお昼頃、入院している母方の祖母のお見舞いに母と一緒に行った時、祖母の様子が何となくいつもとは違う感じがしました。普通に話は出来るのですが、私の顔を見てニコリと笑顔になり「こんなに大きくなって…本当に綺麗になったね」と言うのです。
母と私は顔を見合わせてから母が祖母に「何を言っているの？この子は2,3日前にも来て会っているでしょう」と言いました。
すると祖母は何も言わず私の顔を見て再度ニコリと笑顔になりました。
私は本当に今日の祖母は何だか様子がおかしいな…と思いながらも色々な話をして「また来るからね」と言って母と病室を後にしました。

その日の20時近くに母のお兄さんから電話が掛かって来ました！「祖母が危篤状態だと…」両親と私は慌てて支度をして父の運転で病院に駆け付けました。
病室に入ると、祖母は昼間とは全く別人の様に弱々しくベッドに寝ていました。
私は祖母の手を握りながら「お婆ちゃん来たよ！私の事分かる？」と声を掛けると、祖母が目を開けて私のことをじっと見て「分かる」と言って昼間の時の様に笑顔をみせてくれました。

その後、私は病室を出て、祖母と母のお兄さんと母の3人だけにしてあげました。私はもう一度だけ病室のドアの所から祖母を見て、父と2人だけで自宅に帰りました。その帰宅時の車の中で薬品の匂いがしたので何だろう？と何気なく自分の手のひらの匂いをかぐと薬品の匂いがしました。えっ！私の手のひらから匂うの？と驚きつつも度々手のひらの匂いをかいでいました。祖母と手握った時についたのかな？家に着いて手を洗い再び手のひらをかぐとハンドソープの匂いではなく、やはり薬品の匂いがするのです。

その日は何となく嫌な予感がしたので布団に横になり目を閉じているだけでした。布団の中でも手のひらの匂いを時々かいでいました。
まだ匂う、本当に何なんだろう？と心の中で思いながらも眠れず目を閉じているだけでした。
私は手のひらの匂いを何度かかいでいました。段々と私が大好きだった祖母が、まるで私の傍にいるような気持ちになって来てもいました。

その後も何度か手のひらの匂いをかいでいました。夜中の３時頃に手のひらの匂いをかぐと薬品の匂いがしないのです！まさか…と嫌な予感に胸がドキドキと激しく動き始めました。何度も何度も手のひらの匂いをかいでも薬品の匂いはしません。

静かな家の中、電話が鳴り響き母からの「今、亡くなった」との連絡が来ました。
祖母が亡くなったと同時に私の手のひらの薬品の匂いが消えたのです。いまだに不思議な出来事だったので忘れられません。そして度々手のひらの匂いをかぐのが、私の癖になってしまいました。
大好きだった祖母に会いたいです…