くちゃくちゃおばさん
投稿者:峰 (38)
「なんか用?」
と啖呵を切った。
すると、おばさんはくちゃくちゃと音を立てながらしばらくニタニタ笑っていたが、突然、
「なにを噛んでるでしょうか〜」
と喋ったのだという。
初めて聞くおばさんの声に、Dくんは心底ビックリした。
その声は、まるで何年も喋ったことのなかった人が出したみたいな、カスカスに掠れた聞き取りにくい不気味な声だった。
返事ができないでいると、おばさんはニタニタくちゃくちゃしながら、また、
「なぁにをォ、噛んでるでしょォかァ〜」
と繰り返した。
この時点でDくんは逃げ出したかったそうだが、悪ガキならではの好奇心が勝ってしまった。
それで、Dくんはここらで一発ビビらせてやろうと思い、
「知るかよ!クソババァ!」
と大声で叫んだ。
しかしくちゃくちゃおばさんは少しも驚いた様子を見せず、むしろニヤァ〜〜ッと不気味な笑いを深めたかと思うと、
「正解は、臍の緒でしたァ〜」
と、出し抜けに口の中のモノをべえっと舌に乗せて見せつけてきた。
そこには、小指の先ほどの大きさの、黒いしわくちゃのナニカが、涎にまみれてテカテカと光っていた。
ウッ……と吐き気が込み上げてきて、Dくんは思わずその場でビチャビチャと吐いてしまった。
うわ、どうしよう……と思いながら、Dくんは手の甲で口元を拭うと、もう一度おばさんを見た。
おばさんは、Dくんが吐いているのを見ながら、
「ンッンッンッンッ」と激しく肩を震わせて、笑いを堪えていた。
ゾォーッとして、Dくんはヘナヘナとその場で腰を抜かしてしまったそうだ。
すると、おばさんはまたくっちゃくっちゃと口の中のモノを噛みながら、ゆっくりとベビーカーを押して、その場を立ち去っていった。
すれ違う瞬間、ベビーカーの中身がモゾモゾと動いているような気がして、今度こそDくんは音を上げてしまった。
それ以来、Dくんは何があっても絶対に、夕方一人で出歩くことはなくなり、くちゃくちゃおばさんを見かけても近づかなくなったそうだ。
それにしても、おばさんが噛んでいたのは本当に臍の緒だったのか。だとすると誰の赤ちゃんの臍の緒だったのか。ベビーカーの中身は何だったのか……。
真相は、分からないままだと言う。
怖い!きもい!
Dくん度胸ありすぎでしょ…
きもこわい
おばさんの突き抜けた異様さに目が行きがちですが、Dくんも大概ですよ。他人に飛び膝蹴りして、しかも顔に怪我を負わせるだなんて、傷害罪(少なくとも日本では)ですからね。相手がキモかろうが、暴力を振るう権利はない。
子供とはいえ、つまらない欲求の為に反社会的
行為に手を出したのだから、自業自得のお話でしょうよ……。
Dくんのが怖いな…
Dくん、飛び蹴りを親しくない人にできんのスゲェ〜
飛び蹴りかまして怪我させただけでも傷害な上に
ベビーカー押してるとなると死人出る可能性がバリバリあるんやが…。
激ヤバ君やん…(´・д・`)