山奥の別荘~深夜の来訪者
投稿者:アソビ (2)
これは昔、静岡県にある祖父の別荘で起きた出来事です。
まだ小学生だった私は夏休みを利用して、毎年祖父母と山奥にある別荘へ行ってました。
ある年のお盆休みの頃、別荘のすぐ近くをとおる県道で車同士の正面衝突による事故が発生。
現場に行ってみると、女の人が顔面を血まみれにして意識もなく、横たわっていました。
祖父は私に「見るな」と言ってましたが、怖いもの見たさに見てしまったのです。
その後、時間がかなり経ち、救急車が到着して女性は運ばれていったのですが、ピクリとも動かない女性を見て、だれかが「助からないかもしれないな」とつぶやいていたのを覚えています。
それから数日が経ち、祖父が泊まりの用事で出かけてしまい、祖母と二人だけになる日がありました。
夕飯を食べ終わり、テレビも見終わったので、早めに眠るため祖母とは別の玄関横の部屋で布団にもぐり込んだのですが、夜の時を回っても、なかなか寝つけません。
仕方ないので本を読んだり、ラジオを聴いたりしていたのですが、0時を回って眠くなってきた頃、トントンと別荘の玄関ドアをたたく音が。
何だろうと思っていたところ、「こんばんは、こんばんは」、か細い女性の声がします。
怖くて布団に潜り込みましたが、「こんばんは」と呼ぶ女性の声が、まだ聞こえてきます。
その夜は怖くてそのまま眠ってしまいましたが、翌朝に祖母にドアをたたく音と、女性の声がしたこと話ましたが、祖母は1時近くまで起きていたけどまったく聞こえなかったとのこと。
祖母が寝ていた部屋は、私の部屋と玄関をはさんだ向かい側なので、起きていれば聞こえたと思います。
その後、管理事務所の人に聞いたのですが、事故の女性は病院でそのまま亡くなられたそうです。
あの夜起きたことは、今でも鮮明に覚えています。
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