その日の夜。
いつものように所属する暴走族の集会に参加し、流しを終えて帰宅しました。
すでに時刻は午前1時を周っており、シャワーを浴びてクタクタになりながらベッドにダイブしました。
彼女に「おやすみ」とメールを送り、目を閉じるとすぐに眠ってしまいました。
そしてぐっすりと寝ているといきなりお腹の上に何かが乗っかるような感覚がして目が覚めました。
何かものすごく重たいものが乗っているようで、
身動き一つ取れないうえにとても苦しくて声も出ません。
息も絶え絶えになりながら必死に動こうとしましたが全く動けません。
(これ・・・金縛りか!?)
などと思いながらも初めての体験に私はパニックになりました。
しかししばらくするとスっと金縛りは解け、やっと身体が自由になりました。
汗だくになり激しく息切れをしながら、ふと部屋のドアの方を見ると
何か黒い影のような物が佇んでいました。
よく見ると人間のような形をしたその影は横にユラユラと揺れながら
ゆっくりとこちらに向かってきました。
私は驚きながらも、負けてたまるかと言わんばかりに
ベッドの横に置いていた金属バッドを持ちベッドの前に立って臨戦態勢に入りました。
「誰だてめぇ!かかってこいや!」
私がその影に向かって叫ぶとその影は
激しく横に揺れながらものすごいスピードで瞬く間に私の目の前まで移動してきました。
私はあまりの不気味さに後ずさりし、ベッドに倒れ込んでしまいました。
するとどこからともなく
「ずっと見てるよ・・・」
と言う女の声が聞こえ、黒い影は一瞬にして消えてしまいました。
どこか聞き覚えがあるようなその声に大きな違和感を感じながらも
私はとりあえずタバコに火を付け気持ちを落ち着かせました。
(あの声・・・まさかな。)
と思いながら、きっと寝ぼけてたんだろうなどと自分に言い聞かせて
必死につい今しがた起きた事を忘れようと身支度を済ませて
バイクに跨ってひとっ走りしに行き気分を紛らわせました。
バイク何乗ってたんだろ?
その点だけが気になる❗
強気な執筆者さん好きww