見えない来客
投稿者:ナナシー (36)
以前、引っ越しをした時の話です。
引っ越しをしてからは、毎日忙しくて、なかなかアパートに帰ることができずに、職場で寝泊まりしていました。
そんな状態でも、ようやく休みをもらえて、引っ越したアパートに帰宅できました。
荷物もまだ片付いていなかったため、ダンボールなどの荷解きなどをしていたら、あっという間に夜になり、疲れも溜まっていたので簡単にシャワーを済ませてから、四畳一間の部屋で晩酌をしていました。
テレビを観ていたのに、いつのまにか眠っていたようで、目が覚めたときには深夜番組が映っていました。
時計を見たら午前1時をまわっていて、なんだか嫌な時間に起きてしまったと思っていたところに、「ピンポーン」と呼び鈴がなり、心臓がバクつきました。
えっ、この時間に誰?っていう驚きしかなく、のぞき穴から見ても誰もいません。
どなたですか?とドア越しに言っても応えは返ってきませんでした。
鍵を開けることなく部屋に戻ると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえたのです。
怖くなり、テレビのボリュームを上げて、すぐに携帯で友達に電話をしました。
「ちょっと来てくれない?」って話すと、友達からは「なに?聞こえない」って声しか返ってこないのです。
「ねぇ、聞こえないの?」って言った瞬間、窓と玄関ドアがドンドンドンと強く叩く音がして、叫び声を出しながら、外に飛び出し、近くのコンビニに駆け込みました。
朝まで待って、アパートに戻るとドアは半開きで、大家さんが立っていました。
隣人が連絡したみたいで、大家さんから聞いた話しによると、その部屋では以前身寄りのないお年寄りが亡くなったそうです。
もしかしたら、その霊の仕業だったのかもしれません。
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