人気者のM君とある宗教団体の話
投稿者:陶芸参謀 (37)
私が小学生の頃の話です。
低学年の頃、M君という男の子が転校してきました。
M君はとてもひょうきんな性格で、みんなを笑わせるのが得意だったので、転校初日から人気者になりました。
男子だけでなく女子からも人気を得て、クラスのマドンナだったSさんもMくんのコトが好きになっていて、嫉妬したのを覚えています。
僕はM君と親しくなり、よく一緒に遊ぶようになりました。
やがて成長していくうちに、M君は元来の明るさを表に出さなくなり、どちらかというと地味な存在になっていきました。
気がつけば学校の人気者から、誰の目にも入らないようないけてないグループに属していました。
あんなに明るかったのにどうしたんだろう…と何となく気になっていました。
そんなある日、M君が僕に身の内話をしてきました。
M君の家は、実はとある宗教団体の集会所になっていて、その地域でそれなりの役職のある立場にあったそうです。
いわれてみれば大きな和室に仏壇があったり、無駄に広い家だなあ…とは思っていたので合点がいきました。
M君は将来はお笑い芸人かスタントマンになりたいと語っていたのですが、なぜか急に暗い顔をして「僕があの団体の役目を引き継ぐ…」と言い始めたのです。
性格が真逆になったり、以前と違うことを言い始めたり…M君はおかしくなっていきました。
ゴキブリを背中に入れられたとか、犬に噛まされてズボンがボロボロになったり、学校の外で何者かに虐待でもされているのかのようなコトを言っていました。
そしてある日、M君の右耳の付け根がちぎれていたのです。
どうしたの!?と聞くと、「お母さんに耳を引きちぎられた」と語っていました。
その後、M君は引っ越してしまいました。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。