先輩が自殺の名所で実際に体験したことです
投稿者:メゾン・ド・地獄 (3)
この話は、僕の職場の先輩から聞いた昔の体験談です。
僕は工場で働いているのですが、
ふとした仕事の合間に、
「何か怖い話ないですか?」
と先輩に聞いたら意気揚々と語ってくれました。
先輩の年齢は30前半なのですが、その体験談は、
この工場で働いて2年目くらいのときのエピソードです。
あれは先輩が20歳くらいのころ、ヤンチャ盛りの先輩は、
新車を購入したばかりでした。
その新車は、当時流行っていたSUVで、山道もグイグイ登れるのが強みでした。
新車をお披露目したい先輩は、友達3人を連れてドライブをしていました。
たくさんの場所を運転しつくして、飽きてきた4人は山道を攻めることになりました。
先輩「どこの山行くよ?」
友達A「○○山なんてどうよ?」
友達B「うへえ、あそこはやべえじゃん。」
友達C「肝試ししようぜ。」
そんな会話をしながら、4人が向かったのは地元では有名な自殺の名所でした。
そこは山なのですが、登っていくと電波塔などが立ち並び、不気味さがいっそう際立っている場所です。
頂上のほうにいくと1つの塔のような建物がひっそりと建っており、見るからに近づきがたいオーラを放っています。
その塔は螺旋階段があり、ひんぱんに自殺者が発見されます。
僕の世代ですら、「あそこはヤバい。」という認識が浸透しており絶対に行きたくない場所でもあります。
うわさでは、「電波塔から発せられる高周波が自殺願望のある人を呼び寄せている。」とも言われています。
しかし、地元の小学生の遠足の目的地にも指定されているなど、不可思議な場所でもあります。
僕なら、あんな場所に遠足など絶対行きたくないです。
そんな曰く付きの「自殺の名所」に向かって先輩たちは舵を切りました。
あの日のことを、先輩は少し後悔してるとのことでした。
時間帯はもう深夜で、誰もその山道を登る人も下る人もいません。
自慢のSUVはエンジンのうなりをあげて、グイグイ進んでいきます。
枯れた木の枝や、虫の大群などが怖さを醸し出しています。
ですが先輩たちは、爆音のBGMでかき消し笑い声をあげながら、とうとう例の塔までやってきました。
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