今どきは何でもリモート会議だ。
今日も予定通りに会議が始まった。
会議で新商品に採用されるような意見を出した者は査定に加味される。
だから、全員かなり本気で会議している。
もっとも、査定に加味されなくても本気で会議に参加するのは言うまでもない事だが。
会議は開発グループ5人と課長を合わせて6人が参加した。
会議を記録する書記は5人で持ち回りで、今日は僕が担当した。
会議は滞りなく進むと、課長が
「よし、新商品として、この『〇〇』を部長会議に提案してみよう。」
そう言って会議は終わろうとした。
会議がまとまり皆安堵の表情を見せていたが、僕は納得していなかった。
それを見た課長に
「ん?どうした?議事録はできたんだろう?『〇〇』が誰の意見だったか確認してくれ。」
そう言われたのだが、
「それがちょっと分からないんですよ。今から音読しますね。」
会議が終わる前には議事録を音読する決まりになっている。
参加者はそれを聞いて、誰がその意見やアイデアを出したかお互いに確認して初めて会議が終わる。
誰がどんな発言をしたのか、書記は時系列に沿ってしっかり記録を取らないといけない。
しゃべるスピードに文字を書くのが追い付かない事があるが、それは書記の担当なら誰でも経験することだ。
つまり、今回に限らず、議事録にはいつも不完全な部分がある。
だから最後に議事録を音読して全員で確認すれば、全て誰の発言だったのかがわかるのだ。
いつもならこのやり方で問題ないのだが、なぜか今回は『〇〇』について発言した人が確認できなかった。
その後保存していたアーカイブも見てみたが、『〇〇』を提案した人が結局誰なのかは分からなかった。
録画スロバキア?
少し分かりにくい所があるようでしたので修正しました。
作者より