沖縄のあるマンスリーマンションで

沖縄の思い出
20代の頃、あるアイドルグループにハマっていました。

そのアイドルグループが47都道府県でライブをすることになり行ける限り行ってやる！と当時フリーターだった私は、朝昼晩の寝る間を惜しんで働いていました。
そのライブツアーの最後のライブが沖縄で行われることになっており。
沖縄のライブに合わせて仕事を辞めて沖縄に1ヶ月滞在する計画を立て最後のライブに向けて必死に働きながら他の県のライブに遠征をする日々を送り返していました。

同じくそのアイドルにハマっていた友人２人で沖縄旅行にいくことになり、ホテルに泊まると割高なので、格安のマンスリーマンションを借りました。
私達が借りたマンスリーマンションは、築年数は結構建っている感じのマンションでしたがかなり価格が安く部屋の中は何度かリフォームされているのか綺麗な印象を受けたのでお得な物件を見つけたと喜んでいました。

部屋は、2階の角部屋で隣には今は誰も住んでいない聞き、お酒が大好きで夜通し騒ぐことも多かった私達には、ピッタリの物件でした。
2LDKで広めのキッチンと1部屋には、2つベッドが置かれていてもう1つの部屋は、何もなくクローゼットがついた大きな部屋でした。

滞在期間中、地元の友達が有給を使って遊びにくる予定だったのでベッドのない部屋は、その子達に使ってもらおうと私達は、ベッドが2つある部屋を一緒に使うことしました。

ベッドの部屋はベランダに面していて沖縄の海を眺めることができたたので、沖縄の雰囲気を部屋の中からも存分に楽しむことができた、私達は終始ご機嫌でした。

観光や楽しみにしていたアイドルグループのライブを楽しんだその次の日、地元の友達を沖縄にくるので迎えいく予定でした。

その日は、ライブのテンションから2人でお酒を飲みまくり酔っ払って2人とも寝落ちしてしまっていました。

夜中にトイレに行きたくて目が覚めた私は、隣で友人がうなされていることに気が付きました。飲み過ぎて気持ち悪いのかな？
『大丈夫かー？」と話かけようとしたその時ベランダに何か異変を感じ、その方向を見ると人影を見つけました。

生きている人間か？いや何か違うと感じました。
昔から私は、不思議な体験をすることがあり、ベランダにいる何かが生きている人間ではないとなぜかわかりました。

ベランダにいる何かに警戒しながら友人の肩を揺すり、小さな声で
『起きろ、起きろ』
その声で友人は、勢いよく顔を上げて起きました。

その瞬間ベランダにいた何かの気配は消えました。

友人はなぜか焦った声で『なんか、すごく変な夢を見た。けど覚えていない！！すげーいやな夢だった気もするんだけど…』
私は、何かが見せた夢かな？と思いましたが、友人はひどく怖がりな性格でその話をして怖がらせてもしょうがないと思い話はしない事にしました。

遊びにきた友人３人と合流合計5人で沖縄を満喫するためその日のことなどすっかり忘れ色々な場所に行き遊びました。
合流してから3日目の夜、ふとなぜか今まで空き部屋で誰も寝ていないことに気がつきました、お酒のせいもあったのかもしれないのですがリビングとベッドの部屋で雑魚寝を繰り返してました。
そしてなぜか荷物すらその部屋には置いておらず、無意識のうちに５人リビングかベットの部屋だけ生活していました。

そのことに気がつきなんとなくその部屋のクローゼットが気になり始めました。
なぜかずっと開けていなかったクローゼット。
好奇心で開けようとした瞬間。
『やめとけ』
と頭の中で声が響いた気がしましてた。
そしてこの部屋に本能的にはってはいけないとみんな感じているんだなと気がつきました。