半野良の猫からの知らせ

最近経験した不思議な話です。
我が家では猫を飼っており、完全室内飼いの猫と半野良(たまにふらっと家に帰ってきてご飯を食べたら外に出ていく)の猫が全部で4匹いるのですがその内の1匹にコロちゃんという半野良の猫がいました。
彼は縄張り意識が強く、他の猫が一緒のトイレは利用しないなど一匹狼のような猫でした。
基本は外で生活していましたが、ふらっと我が家に帰って来てご飯を食べてしばらく家で休憩したあとに外に出たいと催促をし、また何処かにふらっと出ていってしまう子だったけれど必ず帰ってくる子だったので特に心配はしていませんでした。

そしてある日曜日の夜のこと、その日は何故か寝付けなくて夜中まで起きていた時に突然動悸と息切れが酷くなり、呼吸が浅くなってしまい過呼吸のようになってしまいました。突然の事でパニックで不安と恐怖で頭がいっぱいになってしまったもののしばらくしたら落ち着いてきたのでその後は普通に就寝。翌日起きた時も何故かその事が頭から抜けずにモヤモヤしていました。その日は昼間から夕方にかけて用事で外出しており用事を済ませ帰宅しようと運転していた時に母から電話がかかってきて「コロちゃん、帰ってきたんだけど痙攣起こしてるの。もう時間が無いと思う。」

私は急いで帰宅し、倒れて痙攣しているコロちゃんの元に駆けつけ、その喉元を優しく撫でて声をかけた瞬間苦しそうな息切れと痙攣がゆっくり治まり彼は静かに息を引き取りました。外で生活をしている猫は自分の寿命が近づいていることが分かると人目につかないところで孤独に天寿を全うします。彼は産まれた家を終の場所にえらび私たち家族に見守られて天国に旅立ちました。亡くなる前日に起きた突然の発作は彼のお迎えをお知らせするための虫の知らせのようなものだったのではないかと思っていますが、1人寂しく人目のつかない場所で孤独に息絶える事無く我が家を選んでくれた事が救いであり嬉しかった、そんな不思議な実体験です。