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不思議体験

エゾシカさんさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

下校時に空白の時間を体験した話
短編 2021/10/04 07:58 1,124view

小学校高学年の頃の話です。私は学校から自宅まで、3.5キロほどの距離を歩いて毎日下校していました。私は学校から自宅までの距離が遠い方だったので、いつも一緒に下校していた友人とは学校から自宅までの半分ほどの距離で別れるのですが、同じ地区に仲の良い友人が少なかったこともあり、その後は自宅まで一人で帰ることが多くありました。

ある日、その日も途中で友人と別れて、自宅へ向かって歩いていました。毎日同じ道を一人で歩くのは、代り映えのない景色でたまに飽きるのですが、その日もいつもと同じ道を帰るのが嫌になって、別の道を通って帰ることにしました。
通常は広い歩道があって車通りも多い道を通って帰るのを、住宅街の路地を通って帰るように経路を変更したのです。
住宅街の道の方がいつも通る道よりもほんの少し遠回りなのですが、色んな家を眺めながら歩いていると、自宅までの長い道のりで気分転換になるので、たまに住宅街を通って帰っていました。

その日も色んな家を眺めて歩き、「この家の色可愛いな」と、ある家の配色が好みだと思いながら、ふと道に目を戻すと、陽が沈んで周りが真っ暗になっていることに気が付きました。
さっきまでこんなに暗くなかったはずと思いながら急いで帰宅すると、いつも仕事で帰りが遅く、私の帰宅時には家に居ないはずの母が居て、「こんな時間まで何していたの!?」と問い詰められました。
時計を見ると、学校を出た時間から3時間以上も経っていました。
いつもは1時間ほどで帰宅するし、少し遠回りの住宅街の道を通っても、ゆっくり歩いても、1時間半もかからずに帰宅できるのです。
そもそもそんなにのんびり歩いてもいないのに、3時間以上も経っていたのが、不思議で訳が分かりませんでした。

他にも不思議だったのは、帰宅しない私を心配し、兄が自転車で通学路を探してくれていて、私が通ってきたはずの住宅街の道も何度か往復して探したそうなのですが、私と兄は出会えませんでした。
直前まで家の色が分かるほどの明るさだったのに、視線を変えた一瞬で夜になっていた感覚や、時間の経過の仕方、同じ道を通ったはずなのに私と兄が出会えなかったことなど、この日のことは今考えてもよく分からず、不思議な体験だったと思います。

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関連タグ: #事故物件#学校
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