祖父の部屋の屋根に現れた黒い靄とその後
投稿者:峰 (38)
友人が小学生だった頃の話です。
当時友人には、同居している祖父がいました。
高齢のため、ほとんど寝たきりだったようです。
祖父の部屋は離れにありました。
友人の子供部屋は母屋の二階で、窓から覗くと、その離れがよく見えたそうです。
その日友人は、窓際の勉強机に座って漫画を読んでいました。
ふと窓の外を見ると、離れの屋根に、何か黒いモヤモヤが飛んでいます。
なんだろう?と目を凝らして見てみると、その黒いモヤモヤはサッカーボールくらいの大きさで、ト◯ロに出てくるまっくろくろすけのような形をしています。
それが、隣の家の二階の窓からスーッと飛んできて、離れの屋根を通り抜けてスーッと中に入って行ったそうです。
黒いモヤモヤは一つではなく、何個も何個も現れました。1分に1回くらいの頻度で隣の家から飛んできては、スーッ、スーッと離れの中に入っていきます。
友人はポカンとしてしばらく見つめていましたが、やがて一階に降りて母親に教えたそうです。しかしどんなに必死に説明しても、母親は全く取り合ってくれませんでした。
ところがその晩、寝たきりだった祖父の容体が急変して、深夜のうちに亡くなってしまいました。
寝たきりではあったがすぐに亡くなるような状態ではなかったため、家族は驚き、悲しんだそうです。
友人は、あの黒いモヤモヤが祖父を殺したんだと直感しました。
あるいは、あの黒いモヤモヤは死神かなにかで、祖父が死に近づいたため現れたのだろうと考えました。
「でも、わからないことが一つあるんだよな」
友人が最後に言いました。
「なんであの黒いモヤモヤは、お隣の二階からやってきたんだろう?」
友人によるとお隣の二階の部屋は、友人より少し年上のお姉さんが住んでいた部屋だそうです。
しかしそのお姉さんは、友人の祖父が亡くなってからしばらくして、ご自身で命を絶ってしまわれたそうです。
呪いを飛ばしてたんだろうか
2人の関係性も気になる