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呪い・祟り

準さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

バタバタと音を立てて羽ばたく…
短編 2020/12/21 12:02 3,891view
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私が小学校2年生から6年生の間、母は宗教活動にどっぷり浸かって。
毎年夏のお盆の時期には、私と兄を連れて身延山にあるお寺の本尊へ数日泊りがけで行くんです。
そこでは、説法を聞いたり ’おつとめ’ と言うお経を唱える、とか。とにかく、私と兄にとっては退屈な夏休み。

その身延山の御本尊でお坊さんは必ず「お盆の時期は虫をむやみに採ってはいけない」、と繰り返し子供達に言い聞かせます。なんでも、お盆時期に霊魂が虫に宿るそうで…。
「死んでいる虫でも、決して採ってはダメ。家に持ち帰ったら大変な事態になる」とか。お坊さんは、子供達に厳しい目を向けてしつこく繰り返し言うんですよ。
毎年。毎回ね。

身延山から戻って1ヶ月後の事。

兄の部屋には、兄の趣味である昆虫採集のケースがいくつも壁に飾ってあって。

そのうち1つのケースに目が釘付けに!

6匹のセミがケースの中で綺麗にピン止めされて並んでるんだけど、その中に…

「○○年8月身延山」って記載が!!!

兄に恐る恐る聞いてみると、
「死んでたから拾って持ってかえってきたんだよ」と。

兄には、お母さんには内緒だぞ。と言われたけれど。結局、母にみつかってしまい。ひどく叱られた後に

「いいから今すぐケースから外しなさい!」と母にうながされて。
兄は不貞腐れた顔のまま、壁からケースを取り外し、ガラスの蓋を開けて「身延山」と記載された白いテープの上に収まっているセミの背中に刺さった小さく細いピンを抜き取りました。

その瞬間

!!!!!

1ヶ月の間ケースの中に収まっていたそのセミは、バタバタと音を立てて羽ばたき始めたのです!
それも3分間程、カーペットの上をグルグルと。

もっと短い時間だったかもしれない…
いや、もっと長かったかも…。
とても怖くて、長く感じた

それは、ピタッと止まり、再び動かなくなった。

確かに1ヶ月以上の間、あのケースの中でピンに刺さって「飾り」の一部になってたんです。ほんの少し前まで、死んでたんじゃ…?!?

兄は恐怖で震えながら泣き続け、必死で「ごめんなさい…ごめんなさい」と何かに謝っていました。

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コメント(2)
  • 何の宗教だろ?

    2020/12/21/14:43
  • 身延山で南無阿弥陀仏って笑

    2020/12/24/16:22

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