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不思議体験

キミ・ナンヤネンさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

登山遠足で
短編 2021/09/17 23:49 3,505view
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5人は顔を見合わせて「行こう」と合図し、少し遅れてその男の後を付いて行った。

そこは、僕たちがここまで通ってきた道だった。

「あれ?さっきの人は?」

木々に紛れて、いつの間にか男の姿は見えなくなっていた。しかしそこには登山道の標識があり「展望台はこちら」とあった。

さっきの男は多分山を下りるところで行き先が違うから、もう見えなくなったのだろうと皆は勝手に想像した。

標識に従って登っていくと、ものの数分で展望台の入り口に辿り着いた。

「さっきのは何だったんだ…?」

5人はあっけに取られ、何かに騙されたのか、誰かに導かれたのか、この時はそう思うしかなかった。

ふと全員が我に返ると、Cは自分の時計を見て

「今11時10分だ。ちょっと遅れたな。」

展望台の入り口には高さが4~5メートルの鉄柱があり、上には大きな時計が付いている。針は11時ちょうどを指していた。

その時計台の根元には先生が立っていて、登って来る生徒たちを待っていた。

「先生すいません、途中で迷って遅れてしまいました。10分くらい遅れました。っていうか、この時計遅れてますよ。」

Cはそう言うと、先生は自分の時計と上の時計を交互に見て

「いや、合ってるぞ。今ちょうど11時だ。その時計が進んでるんじゃないのか?」

「いや、そんなはずは…。」

Cはそう言いかけたが、もう点呼が始まっていて急いで集合しないといけなかった。

急いで最後列に座って他のグループとお互いに時計を見せ合うと、僕達5人の時計だけが10分進んでいた。

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コメント(2)
  • めっちゃ面白かった!

    2021/09/18/08:53
  • 気に入っていただいてありがとうございます。
    あと、誤字等ありましたので修正しました。
    作者より

    2021/09/18/19:16

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