「そいつはここにずっと住んでいるんだよ」
投稿者:Wiz (2)
小学生の頃、毎週末は祖父母の家で過ごしていました。
祖父母の家は、祖父と祖母二人暮らしで他には誰も暮らしていませんでした。
祖父母の家の居間は、部屋の角にテレビがあり、テレビの前にコタツがあって、左右から廊下に出られるように、すりガラスの窓付きのドアがありました。
左側に祖母、右側に祖父、真ん中に私が座るのが定位置となっており、テレビを見ているとちょうど右側のすりガラス窓付きのドアが視界に入る位置でした。
ある晩の事、いつものように祖父母に挟まれる形で、バラエティー番組を見ていました。
ふと、いつもとは違う違和感を感じ、テレビから右側のすりガラス窓付きのドアへ視界をずらすと・・・・。。
すりガラス窓の所から、顔の長い男性がこちらを覗いているではありませんか。
数十年経過した今でもはっきりと覚えている程、そして、男性とわかるほどしっかりとした顔立ちでした。
すりガラスでぼやけて見えるのが、より恐怖を誘いました。
私は悲鳴を上げてしまい、バラエティー番組に夢中になっていた祖父母は、私の上げた悲鳴にびっくり仰天。
「どうしたんだ!」「何か起きたのか!」と祖父母から声をかけられました。
私は子供ながらに窓を指さして、男の人がこちらを覗いていたのでとても怖かった。祖父母以外に誰か住んでいるのか?と聞きました。
すぐに二人は家の中を探してくれましたが、祖父母と私以外に人はいません。
外では、犬を一匹飼っており、人が来るとすぐに吠える優秀な番犬でしたが、全く吠えてはいませんでした。
その後、どのような顔をしていたのか祖父から聞かれた私は、男性に見えた事、面長な顔をしていた事、こちらをじっと見ていた事を伝えました。
すると・・・祖父は一言「そいつはここにずっと住んでいるんだよ」
子供だった私は、なぜか恐怖心が和らいでいくのを感じました。
今でも、祖父の一言は、私を怖がらせない為に言ったのか、祖父も見た事があったからなのか分かりません。
怖い