顔をなくしたお地蔵様
投稿者:びぃ (5)
中学時代の同級生A君から聞いた、彼のおばあちゃんの子供時代にまつわる怖い話です。
A君の父方の家は代々、仏教のお堂を営んでおり、家屋の中に仏像が祀られている一室があったり、屋外の敷地にはお地蔵様が何体も並べられていたそうです。
そこのお堂の歴史は古く、遡ると5世代以上になるそうで、A君のおばあちゃんがまだ子供のころ、彼の家で祀られている仏様には無病息災のご利益があるとされ、自分や家族の健康を願って、お参りに来る方が多かったそうです。
そんな折、毎日1人の女性がお参りに来るようになりました。
話を聞くに、どうやら彼女の息子は病気を患っており、祀られている仏様に無病息災のご利益があるという話を聞いて、わざわざ2つ3つ隣の町から熱心にお参りに来ていたそうです。
仏様だけでなく、外に並べてあるお地蔵様にも手を合わせている姿をA君のおばあちゃんは何度も見かけたそうです。
ところが、彼女がお参りに来るようになって半年ほど経ったころ、急に彼女は姿を見せなくなります。
「息子さんの病気が治ったのか、それとも彼女や息子さんの身に何かあったのか」とおばあちゃんのご家族は案じていたそうです。
それからさらに日が経ち、ある事件が起こります。ある朝、敷地内に並べられているお地蔵様の顔が全て潰されていたのです。
当時、子供だったA君のおばあちゃんにとって、その光景はあまりにも恐ろしく、不気味で今でも脳裏に深く焼き付いているそうです。
その後、警察に相談はしたものの、結局、犯人は見つからず、お地蔵様の顔は修復されることになりました。
「タチの悪いイタズラなのか、あの母親と関係があるのか?」、A君のおばあちゃんは不安な日々を過ごしていましたが、それから大きな事件が起きることはありませんでした。
今でも暗くなると顔がなくなる地蔵が何体かいるそうです。
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